伊調馨が帰国　１３年ぶり敗戦「あんな自分は初めて」リオへ糧に

ロシアから帰国して銀メダルを手にする伊調馨（中央）

　ロシアで行われたヤリギン国際で１３年ぶりに敗れたレスリング女子５８キロ級の伊調馨（３１＝ＡＬＳＯＫ）が１日、成田空港着の航空機で帰国した。２２歳のオホン・プレプドルジ（モンゴル）にテクニカルフォール負けを喫した一戦について「あんな自分は初めてだったし、あんな自分もいるんだなとビックリしている」と冷静な口調で振り返った。

　これまでよりも相手との間合いを取ったレスリングにトライしているが、「立ち上がりが凄くダメで、後半もそれを修正できなかった」とそれがうまく機能しなかった。常々、結果よりも内容を強調する伊調。これまでは“新しいレスリング”と“勝つためのレスリング”を試合中に使い分けて１８９連勝を積み重ねてきた。それが今回は「勝たなきゃという思いはなくて、ポイントが取れないからってどう取りにいこうというのもなかった」と最後まで頭を切り替えられないまま次々に失点。「自分が自分でなく、自分を見失っていた」と試合中の心境を説明した。

　出場を予定していた１７日からのアジア選手権（タイ）も現時点では白紙。４連覇が懸かる８月のリオ五輪に向けて「これを乗り越えると自分のレスリングはもっと強くなる」とまずは気持ちとレスリングの立て直しを図る。