パナソニック 無敵の日本一!学生V7帝京大に完勝

[ 2016年2月1日 05:30 ]

<パナソニック・帝京大>トロフィーを手にして笑顔の(左から)田中、堀江、バーンズ、山田、ヒーナン

ラグビー日本選手権

(1月31日 秩父宮ラグビー場)
 ラグビー日本選手権は19季ぶりに1回戦方式で行われ、トップリーグ王者のパナソニックが49―15で帝京大を下し、2季ぶり5度目の優勝を果たした。パナソニックは2年ぶりの2冠を達成。日本代表のフッカー堀江翔太主将(30)を中心に学生相手に、格の違いを見せつける完勝。昨年のW杯からラグビーブームに沸いた国内シーズンを締めくくった。敗れた帝京大も2トライを奪うなど、将来の日本代表候補として明るい未来をのぞかせた。

 「日本一」を争うという試合の重み、学生相手という現実。さまざまな感情が入り交じっていることが、ノーサイドの笛を聞いたパナソニックフィフティーンの行動に表れていた。1週間前のトップリーグ決勝のように、跳びはねて喜ぶ選手は皆無。シーズン最後の試合が終わったことを慰労し合うように抱擁を交わし、静かな笑みで喜んだ。

 「今季を締めくくる試合としていい試合ができた。非常にタフで、速い展開になった。両チームが素晴らしいプレーを見せられた」。そう振り返った就任2年目のロビー・ディーンズ監督も、初体験となった学生王者との一発勝負の日本選手権については「大学王者が1試合で(日本の)チャンピオンになれるということに疑問がある」とした。

 ただ、チームには油断も隙もなかった。練習を再開した1月26日、堀江主将は選手に「相手は学生だと思うな」と呼び掛けた。メンバーも手抜きなし。前半は開始1分でノーホイッスルトライを奪い、同5分にもキックオフからボールをつなぎ、WTB児玉がチーム2本目のトライ。後半に2本を返されたものの、あらゆる局面でTL王者たる力を見せつけ、帝京大OBでもある堀江は「相手が学生でもグラウンドに立てば敵は敵。僕だけではなく、ほかのメンバーもモチベーションが(高く)できていた」と振り返った。

 昨年4月からW杯へ向けた日本代表合宿が始まり、主力が抜けたままだったチームは例年に比べて開幕時の完成度が低かったという。ただ副産物として若手の成長が促され、リーダーシップを取れる選手が増えた。主将を3年務めた堀江も「いつでも譲れる」と話す。終わってみれば今季公式戦は11戦無敗。これからも、この国のラグビーはパナソニックがけん引していく。

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2016年2月1日のニュース