卓球“フラッシュ騒動”教訓に…東京五輪へ観戦マナー向上を

[ 2016年1月30日 11:30 ]

女子シングルス準々決勝、準決勝進出を決めた平野美宇

 「フラッシュでの撮影はおやめ下さい」

 今月17日まで行われた卓球の全日本選手権(東京体育館)の最終日に何度も流れたアナウンスだ。中学生対決となった女子準決勝の平野美宇(15=エリートアカデミー)と伊藤美誠(15=スターツ)の一戦。平野は観客席からのフラッシュを審判に訴え、何度もプレーが止まった。同決勝の石川佳純(22=全農)と平野美宇の一戦でもフラッシュが光り、ついには第2ゲームの途中で携帯電話やスマートフォンを含むカメラでの撮影は一切禁止となってしまった。

 照明を落とす演出は今年で2回目。最終日のみ、選手はライトアップされたコートで日本一を競う。国際連盟のワールドツアーや世界選手権でもエンターテインメントとして競技を楽しむために行われている手法でもある。ただ、初めて試みた昨年の大会後、選手からは「ボールが見えにくい」などの声も挙がっていた。今大会では試合前に、時間を取ってフラッシュが出ていないか確認を促した。それにも関わらず、撮影禁止にまでなってしまったことは残念でならない。試合後、平野は「やめてほしい。準決勝でも注意したのに、決勝でも光ったので」と苦笑いするしかなかった。

 20年東京五輪のコンセプトはアスリートファースト。選手が気持ちよくプレーできるように、ホスト日本の観客もまた、祭典をつくる一員にならなければならない。おそらく、普段はスポーツ観戦に行かない人でも、一生に一度、目の前で五輪が見られるチャンスだと、各会場に押しかけるだろう。ただ、五輪本番を前にさまざまなスポーツ観戦に触れてほしいと思う。ルールだけに止まらず、観戦のマナーなどは経験して学ぶことは多いはず。試合会場を訪れる時間は、まだ4年もある。(後藤 実穂)

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2016年1月30日のニュース