“最後の優勝者”玉ノ井親方 返上「10年と言えば短いようで長い」

[ 2016年1月25日 10:30 ]

元大関・栃東の玉ノ井親方

大相撲初場所千秋楽 琴奨菊 突き落とし 豪栄道

(1月24日 両国国技館)
 日本出身力士として「最後の優勝者」として取り上げられてきた元大関・栃東の玉ノ井親方は「自分の名前が残っているのはうれしいけど、早く日本出身力士に優勝してほしかったのも事実」とサバサバした表情で話した。

 今場所の琴奨菊について「万全の体調で土俵に出て、らしい相撲内容で優勝した」と評価し「ケガを経験したり、稀勢の里の方が優勝に近いと言われていたりした中で、いつか優勝してやろうと思っていたと思う」と心境をおもんぱかった。

 58場所連続で朝青龍や白鵬らモンゴル勢、ブルガリアの琴欧洲、エストニアの把瑠都に優勝をさらわれた。雅山、豊ノ島、栃煌山が優勝決定戦に進むなどあと一歩に迫ったこともあったが、パワーに勝り、ハングリー精神にあふれる外国勢の後じんを拝する苦しい時代が続いた。

 玉ノ井親方は「みんなにチャンスがある中で(日本出身力士が)ものにできなかったわけだから…。10年と言えば短いようで長い」と回顧。自身はかなわなかった綱獲りについて「横綱(昇進)を気にせず、いつもの場所と変わらない気持ちで相撲を取ってほしい。周囲は騒ぐと思うけどね」と琴奨菊にアドバイスも送った。

 ▽06年の主な出来事 トリノ五輪で女子フィギュアスケートの荒川静香が同競技でアジア選手初の金メダルを獲得。サッカーW杯ドイツ大会でジーコ監督率いる日本は1分け2敗で1次リーグ敗退、大会後にMF中田英寿が現役引退を表明。野球では夏の甲子園決勝・駒大苫小牧―早実が37年ぶりの決勝引き分け再試合となり、早実・斎藤(現日本ハム)が駒大苫小牧・田中(現ヤンキース)との投げ合いを制して優勝。政治では9月に小泉純一郎内閣が総辞職し、5年5カ月の長期政権に幕。流行語大賞はトリノ五輪金メダリスト荒川静香の得意技「イナバウアー」と、数学者の藤原正彦氏の著書に関連した「品格」。

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