大坂 錦織超えた!18歳3カ月で4大大会3回戦

[ 2016年1月22日 05:30 ]

全豪オープン女子シングルス2回戦、ショットが決まり、ガッツポーズをする大坂なおみ(AP)

全豪オープン第4日

(1月21日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 女子シングルス2回戦で、世界ランキング127位の大坂なおみ(18)が同21位で第18シードのエリナ・スビトリナ(21=ウクライナ)に6―4、6―4でストレート勝ちした。父がハイチ出身の米国人、母が日本人の18歳は、初の4大大会出場で3回戦進出。次戦は12、13年覇者で元世界1位のビクトリア・アザレンカ(26=ベラルーシ)に挑む。

 相手と健闘を称え合う握手の前に小さくぺこり。2番コートをぎっしり埋めた3000人の拍手に応えて大坂は何度もぺこり、ぺこりと繰り返した。「私が日本人でみんな驚いていると思っていた。でもスタンドにたくさんの日の丸があってとても感動した」。大きな声援にも後押しされてのシード撃破。「私の日本人らしい部分だと思う」という会釈で感謝の気持ちを表した。

 最近のテーマは「安定感」。力任せに打つばかりでなく、辛抱強くロングラリーにも応じた。ブレーク合戦となった第1セットを先取すると、セット間に筋肉系の違和感で治療を受けたが、第2セットも押し切った。マッチポイントでは、この日最速の時速193キロサーブ。要所で思い切りのいい“KOパンチ”を繰り出し、忍耐強さと爆発力の両方を発揮した。

 これまではジュニアの試合には出ず、ツアーでは年齢による試合数制限(年齢によって異なり17歳だと16大会)があった。大坂をサポートする日本協会の吉川真司コーチは「以前は1試合の重みが大き過ぎて無理をするところがあった。今は伸び伸びとやっている」と語り、それがプレー中の我慢強さにもつながっているという。

 日本生まれの米国育ちで、米国を拠点に日本の指導も受ける日米ハイブリッドプレーヤー。18歳3カ月での4大大会3回戦進出は、08年全米オープンでの錦織(18歳7カ月)よりも若い。膨らむ期待の中で、次戦は元世界1位のアザレンカ。大坂は、「とてもわくわくしている。またアップセットを起こせるように頑張りたい」と無邪気な顔で大番狂わせを誓っていた。

 ◆大坂 なおみ(おおさか・なおみ)1997年(平9)10月16日、大阪市生まれの18歳。姉・まりの影響でテニスを始めた3歳の時に家族で米国に移住。父レオナルドさん(49)の指導の下、公営コートで練習を重ねる。現在はフロリダ州に住み、「プロワールド・アカデミー」が練習拠点。14年に元全米女王のストーサー(オーストラリア)を破って注目を浴び、昨年10月には女子ツアーの新鋭4人を集めた大会で優勝。好きな音楽はJポップとKポップ。1メートル80、69キロ。

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2016年1月22日のニュース