錦織「相当恨んだ」 雨で室内コート、苦戦覚悟も杞憂に

[ 2016年1月21日 05:30 ]

バックハンドでリターンを放つ錦織(AP)

テニス全豪オープン第3日・男子シングルス2回戦

(1月20日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルスで世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)が旧友対決を制した。10代の頃にIMGアカデミーで同部屋だった世界103位のオースティン・クライチェク(25=米国)に6―3、7―6、6―3でストレート勝ち。雨によって会場の屋根が閉じられ、相手にメリットのある室内コートだったが、6年連続の3回戦進出を決めた。22日に予定される次戦は世界27位のギリェルモ・ガルシアロペス(32=スペイン)と対戦する。

 この日の朝、錦織の寝起きは最悪の気分だった。目を覚まして眺めた窓の外は雨。「起きて雨が降っていた時は相当恨んだ」。快勝したからこそ笑える朝の心境を試合後に明かした。

 開閉式の屋根がある会場は当然屋根が閉じられた。クライチェクとは昨年2月に室内のメンフィス・オープンで初対戦し、相手サーブに苦戦してフルセットで辛勝。錦織は「今回は、インドア(での対戦)よりラリーが長くなってリズムがつかめると思う」と話していただけに、当てが外れたのだった。

 屋根が閉じればトスは風の影響を受けず、サーブは安定する。打球音も響くため、サーブを打つ側に有利とされる。ただし、この日は錦織もその恩恵を受けた。第1セットは第1サーブ成功率が82%の高い数字。第1サーブで落としたのはわずか2ポイントしかなかった。

 「あれだけ入ってくれれば自然とリターンゲームにも余裕が出てくる」。狭くてスピードを感じやすかったメンフィスのコートに比べ、7500人収容のこの日のコートは広く、球足も遅かった。おかげでリターンからも自在に攻め込めた。途中で硬さが出たという第2セットこそタイブレークに持ち込まれたが、第1セットは25分、第3セットは29分で早々とかたをつけた。

 クライチェクはIMGアカデミーのルームメートで、「何度も一緒に和食を食べにいった」と英語の上達を手助けしてくれた友人でもある。それでも「相手が誰であろうと集中することを心がけた」と情けは見せず、13本のサービスエースと40本の決定打を見舞って圧勝。試合が終わった瞬間に会場の屋根も開いた。雨のやんだ青空から注ぐ日差しは、錦織の姿をまぶしく照らした。

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