日本人大関対決制した琴奨菊、勝ちにつなげた稽古の反省

[ 2016年1月19日 08:40 ]

<大相撲初場所8日目>稀勢の里を破りストレート給金を決めた琴奨菊(手前)

 大相撲の初場所(両国国技館)は後半戦に突入した。今場所の焦点は06年初場所の大関・栃東以来10年ぶりの日本出身力士による賜杯奪還となるかどうか。そんな中で8日目(18日)には全勝の琴奨菊が2敗の稀勢の里との日本人大関対決を制して自身3度目のストレート給金。まだまだ道のりは長いが、日本出身Vに向けて弾みをつける大きな白星となったことは確かだ。

 「琴奨菊―稀勢の里」は今回で幕内58回目の対戦で「武蔵丸―貴ノ浪」と並んで史上最多タイの取組となった。稀勢の里に左おっつけで押しこまれたものの、こらえて左を差した琴奨菊は自慢の馬力で休まず攻めて最後はがぶって寄り切り。これで対戦成績は琴奨菊の32勝26敗となった。

 2人は同じ二所ノ関一門で、入門は琴奨菊が02年初場所、稀勢の里が翌春場所とわずか1場所違い。新十両と新入幕は稀勢の里に1場所先んじられたが、大関昇進は逆に琴奨菊が1場所早かった。高卒の琴奨菊が中卒の稀勢の里より3学年上ではあるが、ほぼ同じペースで出世。口では言わないが、心の中では互いに意識し合ってきた存在であることは間違いない。

 ここ数年は場所前の二所ノ関一門連合稽古で必ず顔を合わせ、幾度となく稽古を重ねてきた。今場所前も1月4~6日の3日間連続で三番稽古。初日は2勝8敗、2日目は2勝9敗、最終日は4勝6敗と琴奨菊はいずれも稀勢の里に稽古では水を空けられた。それでも「まわしを取られると強いね…」と左四つがっぷりに組むと劣勢になることを確認。勝った数番に関しては、いずれも立ち合いから休まずに圧力をかけ続けて寄り切る相撲だっただけに「自分は馬力。誰にも負けないものを持ってる」と本場所では長所を最大限に生かすことを誓っていた。一方の稀勢の里も「いい稽古ができたのでしっかり生かしていきたい。準備はできた」と自信を得ていたが、結果的に稽古の反省を本場所で生かしたのは琴奨菊。稀勢の里は3敗に後退し、優勝戦線から早くも脱落した。

 大相撲取材において、朝稽古を終えた現役力士から「稽古は稽古。本場所は本場所」という言葉を幾度となく耳にしてきた。今場所の日本人大関同士の対決を見て、それをあらためて実感した。稽古に勝敗は関係ない。しかし、本場所でそれを生かすも殺すも本人次第である。もしも琴奨菊が10年ぶりに日本出身力士として賜杯を抱くことになれば、稽古で対策を立てて勝ちにつなげた稀勢の里戦は大きな意味を持つことになる。(鈴木 悟)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「NBA」特集記事

2016年1月19日のニュース