美宇、悔しさぶつける!史上初中学生決勝へ美誠と直接対決

[ 2016年1月17日 05:30 ]

女子シングルス準々決勝、準決勝進出を決めた平野美宇

卓球全日本選手権第6日 平野美4-2松沢

(1月16日 東京体育館)
 女子シングルス準々決勝が行われ、中学3年の“みうみま”ペアの平野美宇(15=エリートアカデミー)と伊藤美誠(15=スターツ)がそれぞれ勝ち上がり、ともに初の4強入りを決めた。2人は史上初となる中学生決勝進出を懸けて、17日の準決勝で激突する。3連覇を狙う石川佳純(22=全農)も順当に駒を進めた。男子ダブルスは新ペアを組んだ水谷隼(26=ビーコン・ラボ)・吉田雅己(21=愛知工大)組が初優勝し、水谷はシングルスとの2冠に王手をかけた。 

 力強く左手を突き上げた。平野美は相手のショットがネットに掛かると「サー!!」と声を上げて喜んだ。優勝を狙ったジュニアの部では準決勝敗退に終わったが、気持ちを切り替えて一般の部では自己最高の4強入り。「初めてのベスト4はうれしい」とはにかみ、上がってこなかったという調子も「試合をやってるうちに上り坂です」と乗ってきた。同学年の伊藤も勝ち上がり、中学生2人が4強に駒を進めた。

 序盤は0―2とリードを許す苦しい展開。相手から狙われたフォア側のサイドの球を「意識して足を動かした」と重心移動を意識したフットワークでカバー。自慢の強打を警戒され、あえて武器を封印しながら「いろんな技が効いた」と駆け引きで上回り、4ゲーム連取で逆転勝利を挙げた。

 気持ちで負けなかった。昨年9月まではリオデジャネイロ五輪出場権を争った。あと一歩及ばず、代表切符を勝ち取ったのはライバルで親友の伊藤だった。完全に吹っ切れてはいないが「五輪選考もあって、たくさん試合に出て、大きな大会でいいプレーができて自信になった」と昨年4月の世界選手権や同9月のアジア選手権など日の丸を背負った一年の経験が勝負どころに生きた。2―2の第5ゲームで「今までは リードされたら、どうしようと思っていたけど、き ょうは大丈夫と思った」と猛追し、逆転。これまで試合でほとんど声を上げなかった15歳が、大きな声とガッツポーズで執念を前面に押し出した。昨秋にはコーチも交代。「相手のミス待ちから攻めることが増えた」と積極的な攻撃も加わった。

 中学生初の決勝舞台を懸けて対戦するのはダブルスでペアを組む“みうみま”の伊藤。昨年はジュニアの部の準決勝で敗れた。2人は元日に御殿場のアウトレットで羽を伸ばした。「同年代に刺激を受けている」と互いに高め合う仲だ。今大会の目標はメダルを獲るから「優勝したい」に上方修正。作戦は「秘密」と明かさなかったが「向かっていくだけ」と全力で挑む覚悟はできている。16年リオデジャネイロ五輪の夢はかなわなかったが、その先には20年東京五輪が待つ。2人の夢は団体金メダル、シングルスは決勝で2人が戦うこと。五輪会場でもある東京体育館で“みうみま”が好勝負を演じる。

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