沙羅“段違い”圧勝!ゲート2段下げても…地元札幌で5連勝

[ 2016年1月17日 05:30 ]

表彰台で笑顔の高梨

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第4戦

(1月16日 札幌市宮の森ジャンプ競技場=HS100メートル、K点90メートル)
 W杯総合首位で19歳の高梨沙羅(クラレ)が合計265・6点で今季3勝目、通算33勝目を挙げた。1回目に97メートルを飛んで首位に立つと、2回目も最長不倒の98メートルをマーク。通算60試合目の出場を勝利で飾り、札幌の試合では5連勝となった。伊藤有希(土屋ホーム)は87・5メートル、88・5メートルの214・2点で10位。勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)は16位、岩渕香里(松本大)は17位だった。17日は個人第5戦(札幌・宮の森)が行われる。

 沙羅ちゃん、なまら(とても)強いっしょ。地元の大声援を受け、北海道上川町出身の高梨が異次元の強さを発揮。1回目97メートルでトップに立つと、2回目はさらに飛んで最長不倒の98メートル。この優勝でW杯札幌大会は14年から5連勝となった。

 両方のスキー板を掲げ、声援に応えると「地元の応援を自分の力に変えることができた。温かみを感じた。寒い中、足を運んでいただき、この人たちを楽しませるためにいいジャンプを飛びたいと思った。勝ちたかった。安心しました」と心優しい“らしさ”をのぞかせた。

 ほぼ完璧だった。2回とも他選手よりもゲートを2段(1メートル)下げながら飛距離で圧倒。普段はもっと下のゲートで練習することが多く、「恐怖心があった」と高梨。全日本のコーチ陣はすかさず“飛び過ぎ”を配慮してゲートを下げた。しかも課題のテレマークがしっかり入った。飛型点は1人20点満点中、19点前後の高得点が続出。「ヒルサイズ(HS)近くでも入れられて、自信になった」と振り返った。

 さらなる進化の裏には体幹トレーニングなど地道な努力がある。毎年メニューを変え、効果があるものだけを追求。「夏は土台をつくるため、つらい練習だった。腹筋は苦手でしたが、地味に効いてくるようなものもやった」と明かす。技術的にはアプローチを改善し、全日本の斉藤智治ジャンプ部長(59)は「もともと空中のテクニックはあった。以前はアプローチでブレて、うまく足を使えなかったが、修正して、カンテ(踏み切り台)に大きな力を伝えられるようになった。(今は)いつも通り飛べばいい」と大絶賛した。

 年末年始は3年ぶりに地元・上川町で過ごし、温泉や初詣に行くなどリフレッシュ。年明けはラージヒルの大会を回避する調整もうまくいった。17日の第5戦に向け、「いい内容のジャンプで結果を出せれば。ベストを尽くしたい」。地元での連勝を「6」に伸ばすつもりだ。 

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