桐蔭学園 7トライ快勝V王手!単独Vへ“5度目の正直”

[ 2016年1月8日 05:30 ]

<桐蔭学園・石見智翠館>前半18分、トライを決める桐蔭学園・石井(中央)

第95全国高校ラグビー準決勝 桐蔭学園46―31石見智翠館

(1月7日 花園ラグビー場)
 第95回全国高校ラグビー準決勝2試合が7日に大阪・花園ラグビー場で行われ、桐蔭学園(神奈川)は石見智翠館(島根)を46―31で下し、2大会ぶり5度目の決勝進出を果たした。桐蔭学園は先制トライこそ許したが、ロック石井洋介(3年)らが計7トライを挙げて相手を圧倒。両校優勝だった10年度以来、5季ぶり2度目の優勝に王手をかけた。また、東海大仰星(大阪第1)は昨年度覇者の東福岡(福岡)を破り、2大会ぶりの決勝進出を決めた。決勝は11日に、13年度と同じ顔合わせで行われる。

 小細工は必要ない。3点リードで迎えた前半18分、敵陣でのラックサイドを走り込んだ石井が最初の1人を力強くぶちかます。裏へ抜け出し、さらに加速。1人、また1人と飛ばし、最後は脚に絡みつかれながらインゴールへ飛び込んだ。約20メートル、計5人のディフェンスを突破しての豪快なトライ。「ラックサイドは狙ってました。抜け出して孤立したので、倒れたらターンオーバーされる。振り切ろうという意識でした」と振り返った。

 今大会で初導入された準々決勝から中3日という日程。疲労の回復は進んだが、心の隙も生まれた。藤原秀之監督が「予感はあった」と言うように、前半2分に相手キック処理への緩慢な追走を突かれ、先制トライを奪われた。ただ、それでスイッチが入ると同11分にSH斎藤主将(3年)のPGで2点差とし、同14分にはWTB大木(2年)のトライで逆転。石井のトライで試合の主導権を握り、その後はリードを許さず逃げ切った。

 「空いているように見えた。みんなで狙っていこうと話し合っていた」。試合中の冷静な分析もさることながら、電車道のトライを生んだのは強じんな下半身だ。一昨年11月、神奈川県大会決勝の慶応戦で左肩を脱臼。チームも敗れ、花園出場は9年連続で止まった。実戦復帰した昨年5月の関東大会までの約半年、ひたすら取り組んだのが桐蔭学園名物の砂場のようなグラウンドでのタイヤ引き。「とにかく地道にトレーニングをした。(試合用の)パンツはLからXOになった」と2サイズもアップさせ、再びピッチに帰ってきた。

 西高東低が続く高校ラグビー界で、東日本勢として唯一8強に残り、5度目の決勝進出を果たした桐蔭学園。対戦相手は2季前と同じ東海大仰星。2年前、スタンドから兄・大介(現関学大ラグビー部)が奮闘する姿を見守った石井も「やっと同じ舞台に立てます」と口元を緩めた。決勝では兄から譲り受けたヘッドキャップをかぶり、同校悲願の単独優勝をつかんでみせる。

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2016年1月8日のニュース