桐蔭学園4強!関東のトリデ守った 斎藤主将全4トライに絡む

[ 2016年1月4日 05:30 ]

<桐蔭学園・天理>後半18分、天理・栢本(左)のキックをチャージし、こぼれ球を押さえてトライを決める桐蔭学園・大木

第95回全国高校ラグビー大会第5日・準々決勝 桐蔭学園31―12天理

(1月3日 大阪・花園ラグビー場)
 準々決勝4試合が行われ、東日本勢で唯一勝ち残っているシード校の桐蔭学園(神奈川)は31―12で天理(奈良)を下し、準決勝進出を決めた。桐蔭学園の4強入りは、準優勝した13年度以来2季ぶり。SH斎藤直人主将(3年)が卓越したキック力でエリア争奪戦を制し、全4トライに絡む活躍を見せた。石見智翠館(島根)は同県史上初の4強入り。春の選抜大会優勝の東海大仰星(大阪第1)、2連覇を狙う東福岡(福岡)も4強入りした。7日の準決勝は抽選の結果、東福岡―東海大仰星、桐蔭学園―石見智翠館の組み合わせで行われる。

 斎藤が前半に蹴ったキックの本数は20本以上。試合後、あまりの多さに、蹴った本人も思わず「あんまりない経験です」と苦笑いを浮かべた。桐蔭学園は風上に立った前半、斎藤がスクラムハーフながらディフェンスの局面でフルバックの位置に立ち、蹴られては蹴り返すの繰り返し。徹底した戦術で試合の主導権を握り、天理に完勝した。

 象徴的なシーンが前半20分ごろ。右サイドのエリアで6、7往復ものキック合戦を繰り広げた。最終的に斎藤のキックがダイレクトタッチとなり、自陣で相手ラインアウトを許したが「天理はゴール前のモールが強い。自陣に入れず、できるだけ敵陣でプレーしようと話していた」と戦術意図を説明した。昨春の選抜大会でモールに手を焼き22―19で辛勝。この日も後半1分にモールを起点に1トライを許したが、大半の時間帯はエリア争いを制して相手の強みを殺した。

 後半18分にはラックからショートキック。絶妙な距離で相手に拾わせたことで、WTB大木(2年)がキックチャージに成功。そのままトライを奪った。身長1メートル63の斎藤は決してパワーキッカーではないが、同5分には「初めて(の飛距離)」という40メートルのPGも成功させた。「自分は力では蹴らない。しっかりボールを見て、足を振り抜くことを意識している」。中3まで続けたサッカー部で身に付けた足先の感覚が絶妙なキックコントロールを支えている。

 前半15分には自陣のマイボールスクラムからボールをつなぎ、自らトライを挙げるおまけ付き。松島幸太朗(サントリー)を擁して東福岡と優勝を分け合った10年度以来5季ぶり2度目の頂点へ、確かな手応えをつかんだ。

 ◆斎藤 直人(さいとう・なおと)1997年(平9)8月26日、神奈川県生まれの18歳。3歳からラグビーを始め、横浜ラグビースクールでは中学時代に全国中学生大会に出場。日限山中ではサッカー部に籍を置いた。13年4月に桐蔭学園に入学し、同年の全国大会ではリザーブとして3試合に出場し、準優勝に貢献した。4月から早大に進学予定。家族は両親と姉2人。1メートル63、66キロ。

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