【箱根駅伝】青学大 ケガに苦しんだ山の神・神野、有終の美誓う

[ 2016年1月1日 13:19 ]

連覇へ神野は“1番”ポーズ

第92回箱根駅伝

 第92回箱根駅伝は2日午前8時に東京・大手町をスタートし、2日間にわたって神奈川県箱根町との往復10区間217.1キロで行われる。2連覇を狙う青学大は“3代目・山の神”こと神野大地(4年)が再び5区で頂点を目指す。青学大は昨年、ドキドキワクワクする走りをテーマに掲げる「ワクワク大作戦」で初優勝。今年は笑顔で終われるように「ハッピー大作戦」で挑む。神野の笑顔の先に、2連覇が見えてくる。

 最上級生として臨む山上りに、神野が思いを込める。「最後は自分が走ること、山でチームの優勝に貢献することが、チームに迷惑を掛けた分の恩返しになる」。ケガに苦しんだ1年。2月に左大腿骨、6月に右すねを疲労骨折した。11月の全日本大学駅伝で復帰したものの、その後に左すねを痛め、本格的な練習に戻ったのは12月に入ってから。断念しそうになった箱根という目標。「ここで諦めたら一生後悔する」と再び走りだした。

 どうすれば2連覇できるのか、冷静に考えている。山上りに絶対的な自信があるが目標タイムは「現実的には80分(1時間20分)」と昨年の1時間16分15秒と比べると控えめな設定だ。それは仲間の快走を信じているからだ。「昨年は自分のところ(5区)で優勝を決める思いで走った。今年はチームが大手町に帰ってきたときに優勝できればいいかな」。主将としての役割を果たし、つなぎ役に徹する構えだ。

 万全には程遠い。「去年の状態を100とすると、今年は60」。山上りは足に負担がかかりそうに思われるが「自分としては山の方が負担は少ない。(平地よりも)ペースが遅いから。(1キロ)3分30秒~4分くらいで走れれば区間賞も近づける区間」と捉えている。昨年は頂上までのラスト4キロが「一番きつくて妥協した」というが、ラップタイムは他選手に比べダントツに速かった。それを踏まえ「そこで頑張ればもう少しいける」と勝負に出る構えだ。

 仲間を信じられるのは、今年は紛れもない最強布陣だから。青学大のエントリー16人中11人が1万メートル28分台で、圧倒的な選手層の厚さを誇っている。「最強の16人がそろった。明るく元気に走れるように、その一瞬を楽しみたい」。“山の神野”がつないだたすきの先に最高の笑顔が待つ。

 ◆神野 大地(かみの・だいち)1993年(平5)9月13日、愛知県津島市生まれの22歳。神守中―中京大中京高。14年5月の関東学生選手権2部ハーフマラソン優勝。自己ベストは1万メートルが28分41秒48、ハーフが昨年2月の丸亀ハーフでマークした日本人学生歴代4位の1時間1分21秒。1メートル64、43キロ。血液型AB。

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