箱根連覇へ!青学大、原マジック再び 主力隠し駆け引き勝負

[ 2015年12月30日 05:30 ]

<箱根駅伝監督会議>監督会議を終え報道陣の質問に答える青学大・原監督

 来年1月2、3日に行われる第92回東京箱根間往復大学駅伝の区間エントリーが発表され、2連覇を狙う青学大の原晋監督(48)は前回大会の優勝メンバー久保田和真(4年)ら3選手を補欠に回し、駆け引きに出た。東洋大、駒大もそれぞれキーマンを隠し、各校が探り合いとなった。近年、山上りの5区で勝負が決まる中、各校がどの区間で流れを引き寄せるかに注目が集まる。出場が心配された“3代目・山の神”神野大地(4年)は2年連続で5区に入った。

 原監督は余裕の表情を見せた。チーム内では28日のミーティングでエントリーを発表し、「やるぞというスイッチが入った。充実した顔、自信に満ちている」と雰囲気の良さを感じ取ったという。調整遅れが心配された神野も5区にエントリー。「キャプテンとして責任を持って走ってくれると思う」と期待を寄せた。

 余裕の主力隠しだ。前回大会優勝メンバー久保田、渡辺利、田村の3選手を補欠に回した。ただ、前回大会でも往路2選手、復路2選手を当日変更で起用し、4選手中3選手が区間賞を獲得。1区だった久保田も2位の好走で往路優勝、総合優勝までの流れをつくるなど“原マジック”がはまった。久保田や田村は調子を落としていたというが、「まだ2、3パターンある。登録メンバー16人が充実しているし、誰を使ってもいい。うれしい悲鳴」と不敵に笑った。

 2連覇へ掲げたテーマは、最後に笑って終わる「ハッピー大作戦」。現在の「ハッピー指数」は95%という。「理想100%のオーダーは組めないのが残り5%」と全てが想定通りではないと言いながら、「まあ大外れはしないでしょう」と胸を張る。

 箱根路制覇で神野が注目を浴び、チームメートに「ライバル意識が出てきた」と競争が激化。前回大会アンカー10区で優勝のゴールに飛び込んだ安藤(3年)は実力ではじき出された。エントリー16人中11人が1万メートル28分台と選手層は厚い。「最後は気温と風向きを見て、適性を見極める」と状況に合わせて、配置を最終決定する。

 選手の好調ぶりを「ケツがいい、ケツが。くっと上がってるんですよ」と独特の言い回しで表現した。「往路で100%、復路で120%のハッピー指数になるようにしたい」。指揮官のタクトが選手の笑顔を呼び込む。

 ▽今年の青学大の箱根駅伝初優勝 1区久保田が2位の好スタートを切り流れをつくった。2区一色、3区渡辺利とつなぎ、4区田村が区間賞。2位でたすきを受けた5区神野は10キロすぎに駒大からトップを奪い、1時間16分15秒と驚異の記録をマーク。2位明大に4分59秒差をつけて往路優勝を果たした。復路も独走し10時間49分27秒で初の総合優勝を果たした。2位の駒大に10分50秒差の完勝だった。

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