現校名ラスト花園?でも伝統は健在!伏見工78点爆勝発進

[ 2015年12月28日 07:10 ]

<伏見工・郡山北工>前半9分、伏見工・尾崎はトライを決める

全国高校ラグビー大会第1日・1回戦 伏見工78―0郡山北工

(12月27日 花園ラグビー場)
 開幕し、1回戦9試合が行われた。来年4月の学校統合で京都工学院高となり現校名では最後の出場となる可能性が高い伏見工(京都)は14トライを奪い78得点の圧勝。和歌山工(和歌山)は魚津工(富山)に逆転勝ちし1989年以来、26年ぶりの勝利を飾った。天理(奈良)は同校最多90得点を奪うなど、近畿勢は揃って初戦を突破した。

 燃える赤いジャージは聖地を忘れてはいなかった。伏見工は3年ぶり出場で部員全員が初の花園となったもののBK、FWが一体となりボールを動かし続ける伝統は健在。14トライを奪うなど同校の大会最多タイとなる78得点の圧勝劇で“ラスト伏見工”の初戦を飾り、同校OBで就任1年目にして出場を果たした松林拓監督(48)も感慨深げだった。

 「(来年4月の統合を)子供たちはそれほど意識していない。私を含めたスタッフの方が最後の節目と言った感じ。惜しまれるというか」

 序盤こそ硬さが見られたが、前半6分にフッカー福村が先制トライを挙げると、一気に波に乗った。同14分には“らしさ”を最大限に発揮。自陣ゴール前5メートルのラックからターンオーバーするとボールをつなぎWTB木村が70メートル独走トライ。続く20分には再び、自陣ゴール前5メートルでもらった反則から速い展開でボールを回しWTB河が抜け出し加点した。計5トライを挙げた河は「切り返しの練習は今まで以上にやってきた。守備からトライを取るのが自分たちのラグビー」と胸を張った。

 U―17日本代表に選出された木村は地元の伏見区出身で春日野小3年から「伏見工でラグビーをすると決めていた」と話す。その憧れの“看板”を背負ってプレーするのも今大会が最後になる可能性があるだけに、思い入れもひと塩だ。

 「伏見工の名前で優勝するのも最後。目標は日本一だが、先を見るとやられるので一つずつ。プライドを忘れず伏見工のラグビーをやっていければ」

 1979年の初出場から4度の全国優勝を果たすなど数々の伝説を打ち立てたレジェンド校が、花園で、もう1ページ歴史を刻む。

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