A案を手掛けた隈研吾さん 木を棒状にして組み合わせる「ルーバー」が特徴

[ 2015年12月22日 11:09 ]

建築家の隈研吾氏

 新国立競技場の新たな建設計画で、22日に採用されたA案を手掛けた隈研吾さん(61)は、木や石などの自然素材を使い、日本の伝統を現代的なデザインに取り入れるのが得意な建築家だ。著書も多く、住宅論などの建築理論でも建築界をリードしてきた。

 1954年、横浜市生まれ。東大大学院修士課程を修了し、90年に個人事務所を設立。海と一体化したようなゲストハウス「水/ガラス」(静岡)や、森に開かれた能舞台「森舞台」(宮城)で注目を集めた。特徴的なのは、木を棒状にして組み合わせる「ルーバー」というデザイン。この手法を使った複合型の市役所「アオーレ長岡」(新潟)や、五重塔からアイデアを得たという浅草文化観光センター(東京)も代表作となった。

 2001年に「那珂川町馬頭広重美術館」(栃木)で村野藤吾賞、10年に「根津美術館」(東京)で毎日芸術賞など、多数の建築賞を受賞。慶応大教授、米イリノイ大客員教授を経て、09年から東大教授を務める。海外の作品も多く、今年9月には、「パリの玄関口」となるサンドニ・プレイエル駅のコンペでも設計案が採用された。

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