青学大・神野「山で復活大作戦」今年不調も上りなら負けない!

[ 2015年12月20日 05:30 ]

原監督の「安心してください、走りますから」との発言を受け、ポーズを決める“とにかく明るい”神野

 2連覇へ“3代目・山の神”が復活する。第92回箱根駅伝(来年1月2、3日)に向けて青学大が19日に相模原市内で練習を公開し、今年の5区山上りで快走した神野大地(4年)は別メニュー調整ながら、山での勝負に大きな自信を見せた。今年はケガもあり、全日本大学駅伝では最終8区でまさかの区間8位に沈んだが、チームの2連覇へ最後の天下の険に挑む。

 山の神野が戻ってくる。「山上りなら誰にも負けない」。今年の箱根路は神懸かりな走りで青学大初の総合優勝の立役者となった神野。この日はチームとは別メニューでロードを約19キロ走って調整した。チームのテーマはゴール時に笑顔をイメージする「ハッピー大作戦」だが、自身のテーマを問われ「山の神、山で復活大作戦」と宣言。2連覇への覚悟を示した。

 ケガに苦しんだ一年だった。2月に左大腿骨、6月に右すねを疲労骨折。11月の全日本大学駅伝でレースに復帰したが、まさかの失速。「自分の力を過信していた」と自らを責めた。大会後は左すねを痛め、11月いっぱいは軽い練習のみ。精神的にも追い込まれたが「諦めたら一生後悔する」と11月中旬には気持ちを切り替えた。「自分がへこんでたらチームも沈んでいく」。主将としての責任感も背中を押した。

 山には絶対的な自信がある。現在の状態を「平地は10~20%だけど(得意な)山なら70%くらい」と分析。山上りは足への負担が心配されるが、「自分としては山の方が足の負担は少ない。ペースが遅いから。だいたい(1キロ)3分30秒~4分くらいで走れれば区間賞も近づける」と走り方を心得ている。昨年は2カ月しか取り組まなかったスクワットなど下半身を鍛える“山上り補強”を1年間継続し、体幹トレーニングも「毎晩ロビーでやっていた」(原監督)と続けた。「センス型ではなくて努力型」と指揮官から言われ、原点に戻って練習に力を注ぐ。

 今年は5区で1時間16分15秒の驚異的なタイムを記録。今回は「現実的には80分」と目標は控えめだが、指揮官は「去年のレベルまで行かなくても区間賞は狙える」と信頼を置く。「1年間、チームに迷惑を掛けてきたので、最後は自分が走ることで優勝に貢献し、恩返ししたい」。山の神野が最後の山上りに懸ける。

 ◆神野 大地(かみの・だいち)1993年(平5)9月13日生まれ、愛知県出身の22歳。神守中―中京大中京高。昨年5月の関東学生選手権2部ハーフマラソン優勝。自己ベストは1万メートルが28分41秒48、ハーフが2月の丸亀ハーフでマークした日本人学生歴代4位の1時間1分21秒。1メートル64、43キロ。血液型AB。

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