奥原シングルス日本勢初の決勝へ 2日連続女王破った

[ 2015年12月13日 05:30 ]

女子シングルスで決勝進出を決めた奥原

バドミントン スーパーシリーズ・ファイナル第4日

(12月12日 UAE・ドバイ)
 各種目の準決勝が行われ、女子シングルスで世界ランキング9位の奥原希望(のぞみ、20=日本ユニシス)が世界選手権2連覇中のカロリナ・マリン(22=スペイン)を21―11、21―12で破った。男子シングルスでは桃田賢斗(21=NTT東日本)がヤン・ヨルゲンセン(27=デンマーク)をストレートで撃破。ともに日本勢のシングルスで初の決勝進出となった。13日の決勝で、奥原は世界ランク8位の王儀涵(27=中国)と、桃田はビクター・アクセルセン(21=デンマーク)と対戦する。

 奥原の快進撃は止まらなかった。11日の1次リーグに続いて世界女王を2日連続で破り、日本勢初のシングルス決勝進出。勝利が決まると、左手を固く握りしめ「きのう勝って、きょう負けていたら意味がない」と満面の笑みを見せた。

 油断はなかった。前日よりもラリーが増えたが「焦らず、攻め急がず」と集中力を保った。脚の長いマリンを深めのショットで揺さぶり、随所で足元にスマッシュを叩き込んだ。圧巻は第2セット。8―7と追い上げられた場面で、一気にギアを上げ、そこから連続5ポイントを挙げて突き放した。

 世界のトップから学んだ。今季は1年間、スーパーシリーズを回って経験を積んだ。トップ選手をそばで見る中で、大会期間中にトレーニングすることに気づいたという。遠征が続くと練習量が減り、パフォーマンス低下を招く。世界をまねて、10月の遠征から試合期間中も簡単な筋力トレーニングや補強運動を取り入れた。スーパーシリーズ・ファイナルを直前に控えた全日本総合選手権の期間中も、ふくらはぎの筋力トレーニングや、少し痛みのあった右肩の補強運動を試合後に積み重ねていた。

 日本勢初となるシングルス決勝の舞台。全日本総合選手権を制し、2度目の日本一に輝いた20歳は「日本のエースとして世界で戦っていきたい」とエースの自覚と責任を口にする。今大会はスーパーシリーズ上位8人が集結した年間チャンピオンを決める大会で、リオデジャネイロ五輪の“前哨戦”。「自分のベストを尽くすだけ。自分のプレーをすることに集中したい」。奥原が五輪メダルへの道を切り開く。

 ◆奥原 希望(おくはら・のぞみ)1995年(平7)3月13日、長野県大町市生まれの20歳。6歳からバドミントンを始める。仁科台中―大宮東高を経て、13年日本ユニシス入社。11年全日本総合女子シングルスを最年少の16歳8カ月で制した。12年世界ジュニア選手権優勝。15年スーパーシリーズのヨネックス・オープン・ジャパンで初優勝。1メートル55、52キロ。

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2015年12月13日のニュース