最高の形でシーズン締めも… 遼が感じた男子ツアーの危機感とは

[ 2015年12月11日 09:27 ]

“男子ツアーの危機感”を口にした石川遼

 男子ゴルフの石川遼(24=CASIO)が日本シリーズJTカップを制し今季2勝目を挙げ、最高の形でシーズンを締めくくった。初めての日本タイトル獲得。もちろんうれしいはずだ。しかし石川は決して手放しで喜んではいなかった。翌日、都内ホテルで行われた男子ツアーの表彰式の取材対応で口にしたのは危機感だった。

 「(男子ツアーは)選手1人が呼べるファンの数が少ない。女子の10分の1くらいという雰囲気がある。女子にはイ・ボミさん、上田桃子さん、大山志保さん、若手の渡辺彩香さんとか、人気のある選手がいて、毎日たくさんのギャラリーが付いている」。男子ツアーの今季観客数は33万6427人。一方の女子ツアーは56万480人。試合数が違うから単純に比較できないかもしれないが、人気面で男子ツアーが劣っているのは明白だ。石川は、選手個々にファンを引きつける魅力が不足していることがその原因だと指摘したのだ。

 そのうえで「どれだけの選手が危機感を持ってやっていけるか。(観客が減ることは)職場、仕事が減るということなんだから」と各自の奮起を促した。練習で技を磨き、ファンを引きつけるプレーをして、ファンサービスを怠らない。プロならやって当然の仕事を1人1人がやっているのかと問いかけたのだ。

 さらに「チャレンジツアーの賞金を上げるという話があるけど、それがいいことなのかなと思う。(米国の)PGAでは上(レギュラーツアー)と下(下部ツアー)で賞金の0が1個違う。だからこそ競争が生まれ、ツアーの活性化につながる」とぬるま湯体質にも疑問を呈した。日本ツアーを愛するからこそ、批判を覚悟で石川が発した苦言。プロゴルファーや、日本ゴルフツアー機構の関係者はどう聞くのか。本気度が問われている。(福永 稔彦)

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2015年12月11日のニュース