メイジウエーだ!早明戦制し3季ぶりV 帝京大と両校優勝

[ 2015年12月7日 05:30 ]

早大に勝利し、歓喜の明大フィフティーン

関東大学ラグビー 明大32―24早大

(12月6日 秩父宮)
 2試合が行われ、91回目となった伝統の早明戦は明大が32―24で3季ぶりに勝利し、3季ぶり16度目の対抗戦制覇を果たした(帝京大との両校優勝)。OBで13年に就任した丹羽政彦監督(47)にとっても、3年目で初の歓喜となった。明大はフッカー中村駿太主将(4年)を中心に、前半19分の逆転以降はリードを守りきった。大学選手権では7連覇を目指す帝京大の対抗馬として、まずは10年度以来5季ぶりの「正月越え」を目指す。

 10分以上の猛攻をしのぎきった姿に、丹羽監督は選手のレベルアップを感じ取った。後半31分、FB田村のPGで8点差に広げた後から、自陣での守備を強いられた。3トライを決められていたラインアウト→モールを早大に仕掛けられ、ペナルティーを犯しても粘り強く守ってノーサイド。選手たちは両手を突き上げて喜んだ。

 「8点差で取られずに抑えた点は、選手が成長したかなと思う。去年までなら1点差にされて終わっていたと思う」

 「重戦車」「前へ」。力強い代名詞とは裏腹に、近年の 明大はひ弱な面があった。昨季の早明戦も戦前は有利と言われながら敗れると、大学選手権第2ステージでは筑波大に7―43で大敗。4季続けて年明け1月2日の準決勝に進出できず、監督は「12月にどうしてチームが失速するのか」と首をひねっていた。

 変化は監督、選手の双方に生まれた。丹羽監督は「最初の2年は一方通行に話すだけ。よく怒鳴った」と振り返る。だが、今季 は中村、田村ら下級生時から主力を張ってきた4年生が多く、学生の自主性が出てきた。これまで早朝6時30分開始が通例だった練習は、朝食の時間などとの兼ね合いもあり「ただこなすだけでミーティングをする時間もない」(CTB梶村)と掛け合い、午前10時に変更された。指揮官も「今年は相互に話せている。大学生は大人だから」と話すように対話がチームを好転させた。

 昨季からU―20日本代表のS&Cコーチだった坂井裕介氏を招へいし、取り組んできたフィジカル強化も実を結んでいる。前半終了間際、WTB成田が日本代表のFB藤田のタックルを飛ばしてトライしたシーンはその象徴。最近は明大に入っても伸び悩む選手が多く、丹羽監督は「人材の墓場と言われていたから」と自虐気味に話すが、ここに来て才能のある選手が期待通りの成長曲線を描き、戦力となった点も見逃せない。

 中村主将が「(帝京大に勝った)筑波さんのおかげで優勝できた」と言った通り、歓喜に浸りきるのはまだ早い。「失速メイジ」(丹羽監督)のレッテルを取り払うべく、紫紺の若者たちは前へ歩み続ける。

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2015年12月7日のニュース