女子ラグビーセブンズ リオへ3連勝 29日にも五輪切符

[ 2015年11月29日 05:30 ]

<日本・中国>激しいタックルでグウァン・チスー(上)を倒す竹内

7人制ラグビーリオデジャネイロ五輪アジア予選日本大会

(11月28日 秩父宮)
 1次リーグが行われ、日本は中国、グアム、香港を破り、3戦全勝とした。日本は持ち味の低いタックルでターンオーバーを繰り返してチャンスメーク。小出深冬(19=アルカス熊谷)、山口真理恵(26=ラガール7)らがトライを決め、香港大会(7、8日)で敗戦した中国にもリベンジを果たした。現在、大会ランキングポイント6で首位に立つ日本は、29日に1次リーグのカザフスタン戦に勝つか引き分ければ、その時点で五輪出場が決定する。

 ホイッスルが鳴る前から、まるで仲間割れでも始まったかのような光景だった。日本の選手は全速力でピッチへ飛び出すと、味方同士でそれぞれの相手に向かって全力でロータックル。役割を交代して試合前の「ルーティン」を終えると、各自のポジションに散らばった。この日の初戦、中国の選手も見慣れぬシーンにあ然。ただ、これが香港大会で敗れた中国に、リベンジを果たす秘けつだった。

 浅見敬子ヘッドコーチは「ホットな状況をつくるため、コーチと相談して決めた。試合前の練習から試合開始までが空きすぎるので」と明かした。インゴール裏の狭いエリアでのウオーミングアップ後、選手はロッカーへ引き揚げる。一度止まったエンジンを再起動するためにケガのリスクを伴うが、効果はてきめん。前日練習でも入場からシミュレーションして実戦形式のトレーニングを行い、準備を整えていた。

 中国戦の後半開始直後には、竹内が鋭いロータックルから相手に絡み、反則を誘うと、速攻を仕掛けて山口のトライにつなげた。香港戦では冨田が1メートル70の体格を生かして何度も好タックルを決め「あすはもっと突き刺さるようなタックルが必要」と反省しながらも笑みを浮かべた。香港大会から帰国後、唯一敗戦した平均身長が1メートル70を超える中国対策に取り組んだ結果だけに、中村主将も「中国を圧倒できたのは良かった」と話した。

 29日のカザフスタン戦に勝つか引き分ければ、順位決定戦を待たずに五輪出場が決まる。年間200日以上の拘束で厳しいトレーニングを積み、ある者は家族を、ある者は仕事を犠牲にしてきた。「あすの1分1秒で女子ラグビーの歴史が変わる。一試合一試合大事に戦いたい」と冨田。満開の桜を咲かす瞬間が、間もなくやってくる。

 ▽アジア予選の総合順位決定方法 6チーム総当たり1次リーグを行い、その後に順位決定戦を行う。1位から順に6点、5点…のランキングポイントが与えられる。2チームが、ランキングポイントで並んだ場合、(1)当該チーム同士の対戦で、勝利数の多いチーム(2)当該チーム同士の対戦で総得失点差が多いチームの順に順位を決める。香港大会優勝の日本が、1次リーグのカザフスタン戦に勝つか引き分ければ、決勝でカザフスタンに負けた場合には、ポイントで並ばれるものの、2大会の当該対戦は3勝1敗もしくは2勝1分け1敗となり、日本が上位となって五輪出場が決まる。

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2015年11月29日のニュース