真央の男子並み高難度プログラム今後楽しみ 岡崎真氏が解説

[ 2015年11月7日 05:50 ]

大人の真央全開で高得点をマークした浅田真央
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フィギュアスケートGPシリーズ第3戦・中国杯 女子SP

(11月6日 中国・北京)
 浅田真央が2季ぶりとなったGPのSPで71・73点をマークし、首位発進。ISU(国際スケート連盟)テクニカルスペシャリストで、プロコーチを務めるスポニチ本紙解説の岡崎真氏が世界最高難度のプログラムについて解説した。

 ノーミスの印象すら与えるほどの浅田のSPだったが、ジャンプに少しずつ誤算があった。冒頭の3回転半は高さも回転も十分。だが、着氷でやや詰まり、加点は得られなかった。3―3回転の連続ジャンプは2つ目のループで着氷を急いだのか、回転を緩める動きが早く、回りきらずに降りてしまった印象だ。ルッツは踏み込みから踏み切りの短い間に余分なタメがあり、離陸時のエッジへの体重のかけ方がずれた。基礎点が70%となる減点ではあったが、不得意としてきたジャンプをSPに入れた“攻めの姿勢”は評価したい。

 プログラム全体としては要素と要素のつなぎに「余白」が感じられ、まだ練り込んでいく必要性も感じられた。ただし、この構成を冷静に分析すれば、4回転ジャンプを持たない男子選手と同等。それだけの難度を、本格的復帰戦でこれだけこなせたことは驚異的と言える。ボーカルの入るタイミングと表情による雰囲気づくりもマッチしており、清潔感のある大人の色気も感じさせてくれた。内容はもちろん、得点的にも余白は十分で、今後が楽しみになるものだったと思う。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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