真央 シニアGPデビューの中国杯から再出発 あれから10年…

[ 2015年11月5日 05:30 ]

本番会場に姿をみせた浅田真央は軽快な動きを見せる

 思い出の大会で再スタートを切る。フィギュアスケート女子の浅田真央(25=中京大)が4日、グランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯(6日開幕)出場のため開催地の北京に入った。昨季休養し、今大会がGP復帰戦となる浅田は、05年の中国杯でシニアのGPにデビュー。10年の時を経て、当時と同会場・首都体育館で行われる同大会で再出発を飾る。

 10年前のことは、もちろん今でも覚えている。05年11月、浅田はシニアのGPにデビューした。「10年たっているから、凄くビックリ。早いなって感じがします」。当時、15歳。ショートプログラム(SP)で「カルメン」、フリーで「くるみ割り人形」を舞い、いきなり2位に入った。あれから10年。1年の休養を経て勝負のリンクに帰ってきた25歳が、同じ首都体育館の中国杯から再出発する。

 年齢は出場選手中、最年少から最年長へ。女子フィギュア界ではベテランの域に突入し、「立場的にも(10年前とは)全然違う」と言う。中国杯で鮮烈デビューを飾ったシーズンは、GPファイナルも制覇しながら、年齢制限で06年トリノ五輪には出られなかった。10年バンクーバー五輪で銀メダル、14年ソチ五輪はSP16位からフリーで涙の逆襲。その後、休養して自分自身と向き合った。「いろんな経験をしてきたなって感じです」。濃密な10年を経て、今がある。

 北京入りしたこの日、会場での1時間の非公式練習で早速、汗を流した。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回転が抜けたり両足着氷が目立ったものの、フリー「蝶々夫人」を流しての滑走ではきっちり大技を成功。佐藤信夫コーチは「調子はまだまだ出ませんね」という状態だったが、3回転フリップ―3回転ループのコンビネーションは何度も決めた。

 復帰戦だった10月のジャパン・オープン(フリー)ではいきなりトリプルアクセルに成功。今大会に向けて、SPも滑り込んできた。「(SPもフリーも)両方、同じくらいやってきた。いいイメージを持って本番に臨めればいいな」。絶好のリスタートの舞台で、10年前より強くなった姿を見せる。

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