五郎丸 SRレッズ入り正式発表 得点王狙える!

[ 2015年11月5日 05:30 ]

磐田市の渡部市長(右から3人目)に今季に懸ける意気込みを示したヤマハ発動機の五郎丸、清宮監督、三村主将(右から)

 世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」のレッズ(オーストラリア)は4日、日本代表FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)の入団を正式発表した。来年1月の国内シーズン終了後に渡豪し、チームに合流する。W杯でセンセーショナルな活躍を見せ、日本代表選手として初めてドリームチーム(ベストフィフティーン)に選出された日本ラグビー界の至宝が、新たな挑戦に踏み出す。五郎丸は5日、静岡県浜松市で入団会見を行う。

 五郎丸はこの日の午前中、磐田市役所に渡部修市長を訪ねて開幕前のあいさつ。午後には全体練習に参加し、その後のキック練習では150人のファンの視線をくぎ付けにした。正式発表されたことで発言も注目されたが「あす(5日)話します」と一言。赤のジャージーを着た写真が掲載されたチームの公式ウェブサイトでは、英語で「W杯に続き、自分自身をSRレベルで証明できる機会を楽しみにしている」などとコメントを寄せた。

 今回の契約は、双方にとって相思相愛の決定と言える。W杯で活躍した五郎丸は「世界で戦えることが分かり、手応えも感じた」と高いレベルでのプレーを希望していた。一方のレッズは、正FBで元オーストラリア代表のオコナーが退団。さらに長年プレースキッカーを務め、11年シーズンには得点王にも輝いたSOクーパーの仏トゥーロン入団が、時を同じくして発表された。フルバックとキッカー、ポッカリと空いた2つの穴を埋めるために、五郎丸はこれ以上ない人材だった。

 レッズには他のフルバックも在籍するが、ヤマハ発動機の清宮克幸監督が「やれるからオファーが来た」と話したように、実力さえ発揮すれば定位置奪取は確実で、得点王の期待も高まる。トップリーグ(TL)では11、12年度にタイトル獲得。13日に開幕する新シーズンに向けても「今年はしっかり3冠(得点王、ベストキッカー賞、ベストフィフティーン)を獲る」と宣言しているが、SRとの4冠ならこれ以上ない快挙と言える。

 日本のサンウルブズ、日本代表のリーチ主将が所属するチーフスとの対戦など、ファンにとっても楽しみな海外挑戦。赤道の向こう側でも、五郎丸ブームを巻き起こす。

 ≪15戦換算なら210得点≫SRとTLでは得点王に関する規則が異なる。SRではプレーオフでの得点を含むため、試合数が多くなる上位チームの選手に有利になる一方、TLはレギュラーシーズンのみをカウントする。五郎丸のTLでの自己最多は11年度の182得点で、1試合平均では14得点。来季のSRのレギュラーシーズン試合数である15試合換算では210得点となり、十分に得点王争いに絡める数字と言えそうだ。

 ◆五郎丸 歩(ごろうまる・あゆむ)1986年(昭61)3月1日、福岡県福岡市生まれの29歳。3歳からラグビーを始め、佐賀工高では3年連続全国大会に出場。早大では3度の大学日本一、08年4月にヤマハ発動機入り。代表初キャップは05年4月16日のウルグアイ戦。先のW杯では全4試合に先発し、チーム最多の58得点を挙げ、マン・オブ・ザ・マッチに2度輝いた。日本代表通算57キャップ、同711得点は歴代最多。1メートル85、99キロ。

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2015年11月5日のニュース