陰から支えた前主将・広瀬号泣!出番なしも稲垣「一番響く存在」

[ 2015年10月13日 07:40 ]

<日本・米国>試合後、チームメートを笑顔でねぎらう広瀬(右)

ラグビーW杯イングランド大会1次リーグB組 日本28―18米国

(10月11日 英国グロスター)
 陰のヒーローは選手全員と握手、抱擁を交わした。最後の円陣でリーチ主将にスピーチを頼まれると、号泣して一言も発せられなかった。前主将の広瀬。初のW杯は一度もジャージーに袖を通せなかったが、その存在感は絶大だった。

 サモア戦後のロッカールームではごみ拾いを始め、選手全員がそれに続いた。南ア戦翌日のミーティングでは、リーチに頼まれ「環境が変わっていろいろな人が声を掛けてくる。それを受け止め次のステップに行けるか」と勝利に浮かれるチームの引き締めを図った。プロップ稲垣は言う。「一番響く存在がトシさん(広瀬)。コンクリートの道に芝が落ちていたら、そういうところもきれいに使おうと。ささいなことだが一番大事なことだと思う」。ファンの目の届かない場所でも代表として振る舞う姿は他の選手の心を打った。

 もちろん試合に出たい。それでも「ちっちゃいこと。そういうことは男らしくない」と悔しさを封印した。ジョーンズHCが「重要な役割を担っている」として選んだ「31人目」の男。五郎丸の「広瀬さんなしではここまで来られなかった」という賛辞こそ、広瀬にとっての最大の勲章だ。

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2015年10月13日のニュース