イ・ボミ　今季５勝目！獲得賞金“さくら超え”史上最高

１８番、ウイニングパットとなるバーディーパットを沈めギャラリーの声援に応えるイ・ボミ

女子ゴルフツアー　スタンレー・レディース最終日

（10月11日 静岡県裾野市　東名カントリークラブ＝６５８３ヤード、パー７２）
　雨と霧のため９ホールに短縮され、１打差２位でスタートしたイ・ボミ（２７＝韓国）が４バーディー、ボギーなしの３２、通算１２アンダー、１６８と伸ばして逆転した。今季５勝目を挙げ、１６２０万円を獲得。年間獲得賞金は１億７９５４万６６円とし、史上最高を記録した。３打差の２位には２日目トップの若林舞衣子（２７＝ヨネックス）と藤本麻子（２５＝富士通）が並んだ。
【最終成績】

　優勝会見の冒頭で「強いですね」と声を掛けられたイ・ボミは「そうですね」と答えて笑った。すぐに「運もありました」と付け加えたが、その言葉と裏腹に運など必要のない逆転劇だった。

　雨と霧で９ホールに短縮され、１打差を追うボミには厳しい条件と思えるが、３時間待機したロッカーで「９ホールは体に楽。１打差は大きくない」と言い聞かせた。

　２ホール目の１１番のバーディーで若林に並ぶと後は危なげなし。１５、１６番の連続バーディーで抜け出し、終わって見れば３打差を付けた。シーズン前に目標と掲げた今季５勝目で獲得賞金は１億７９５４万６６円とし、７試合を残して０９年に横峯さくらが記録した１億７５０１万６３８４円のツアー最高を更新。横峯に憧れて１１年から日本ツアーに参戦したイ・ボミは「優勝よりも、あの記録を超えたことが信じられません」と話した。生涯獲得賞金５億円も１２４試合で突破する史上２番目のスピード記録。代名詞の「スマイル」がはじけた。

　１２年から３勝、２勝、３勝と積み重ね今季は一気に５勝。躍進の要因を聞かれたイ・ボミは「開幕前に使いたいクラブを準備してもらった」「ロングパットの練習で感覚がつかめた」ことを挙げた。シーズン２６試合で２位７回、トップ５は１７回と抜群の安定性を示し、ストローク、パット、パーセーブ、バーディー数の部門でトップという数字が強さを物語る。

　強さに加え、キュートな笑顔とファッションでギャラリーの人気も１番。これからの目標は「マスターズＧＣレディース（２２日開幕）とツアー選手権に勝って賞金２億円」と言い切った。所属するマスターズＧＣでの大会は当面の最大の目標。終盤は高額賞金大会も多く、女子初の２億円、昨年亡くなった父・ソクジュさんに誓った「賞金女王」はもう目の前だ。