佐渡ケ嶽親方の長男が入門!父「琴ノ若」→祖父「琴桜」継承の道

[ 2015年10月7日 05:30 ]

鎌谷(左)は父であり師匠となる佐渡ケ嶽親方(中)、母でありおかみさんの真千子さんと笑顔

 大相撲の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)の長男で、母方の祖父が元横綱・琴桜(故人)という“偉大な血”を受け継ぐ埼玉栄高3年・鎌谷将且(17)が6日、埼玉県さいたま市の同校で会見を開き、父が師匠を務める佐渡ケ嶽部屋への入門を発表した。九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)での初土俵を目指し、28日の新弟子検査を受検する。デビュー時は琴鎌谷と名乗るが、今後の出世次第で父の琴ノ若、祖父の琴桜を継承する予定だ。

 ちょうど10年前の05年九州場所13日目。当時8歳だった鎌谷少年は会場の福岡国際センターで父・琴ノ若の現役最後の一番を見守っていた。帰りの車に同乗すると負けた父から「琴ノ若を継いでくれよ」と告げられ、その瞬間「次は自分」と角界入りを強く心に誓った。それから10年。決意は片時も揺るがなかった。1メートル87、150キロの堂々たる体格となった高校3年生は「プロの世界は厳しいので気を引き締めていきたい。まずは関取」と目標を掲げた。

 実家の佐渡ケ嶽部屋で3歳からまわしを締め、母方の祖父である先代師匠(元横綱・琴桜)からは「早く関取になれ。自分次第だぞ。しっかり頑張れ」と四股の踏み方を教えてもらっていた。10歳で強豪・埼玉栄の山田道紀監督と出会い、自らの意志で中学から相撲留学。当初は中卒後に入門する予定だったが「まだプロに行っても通用しない。高校に行かせてください」と父に懇願した。すると「一生懸命頑張ってこい」と背中を押された。高校2年までは芽が出なかったものの、主将に抜てきされた3年時に一気に開花。7月の高校総体団体決勝の大将戦では高校横綱・城山(金沢工)を破り、8月には重量級の世界王者となった。

 父が現役を退いた九州の地が初土俵の舞台。28日の新弟子検査を通過すれば「琴鎌谷」のしこ名で前相撲に臨む。来年以降、順調に三段目まで昇進できれば「琴ノ若」を継ぐ予定で、偉大なる祖父の「琴桜」継承については「大関以上にならないと駄目だと先代と約束した」と佐渡ケ嶽親方。大関・貴ノ花と若貴兄弟ら親子幕内は史上8組しかない厳しい道を歩むが「祖父に少しでも追いつきたい」と2代目・琴桜を目指す17歳の信念は強い。(鈴木 悟)

 ◆鎌谷 将且(かまたに・まさかつ)1997年(平9)11月19日、千葉県松戸市生まれの17歳。佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)の現役時に一人っ子の長男として生まれ、幼少時から実家の佐渡ケ嶽部屋で相撲に親しむ。8年前に死去した母方の祖父は「猛牛」と呼ばれた第53代横綱・琴桜。中学から埼玉栄に相撲留学し、高校3年時は主将として全国高校総体でチームを団体優勝に導いた。個人戦では、世界ジュニア選手権重量級を制覇。得意は右四つ、寄り。1メートル87、150キロ。

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