山田 雪辱トライ!完敗スコットランド戦は毒魚に刺され欠場

[ 2015年10月4日 05:30 ]

ラグビーW杯1次リーグのサモア戦 前半終了間際、トライを決める山田。右は畠山

ラグビーW杯イングランド大会1次リーグB組 日本26―5サモア

(10月3日 ミルトンキーンズ)
 鮮やかなターンだった。13―0の前半終了間際。連続攻撃で敵陣深くに攻め込んだ日本は右へ展開。右サイドライン沿いでプロップ畠山からボールを受けたWTB山田は急激にスピードダウンすると、その場でクルリと1回転して相手のタックルを巧みに振り切った。そのまま目いっぱい、ボールを持った両手を伸ばしてインゴール右隅に飛び込んだ。

 アメフットとの二刀流でXリーグにリターナーとして出場したこともある、トリッキーな動きが武器の快足WTBが芸術的なターンからW杯初トライを決めた。後半16分にタックルした際、頭部に相手の膝が当たって担架で担ぎ出されたが、攻守に体を張って日本の2勝目に貢献した。

 南アフリカ戦では先発で大金星に貢献した。途中交代し、代わったWTBヘスケスが逆転トライを決めた直後には、うれしさのあまりコンタクトレンズが外れる姿が国際映像で流された。勝利の余韻が冷めやらぬ翌20日、英国南部ブライトンの宿舎ホテルの目の前のビーチでリカバリー中、体長15センチほどの「ウィーバーフィッシュ」と呼ばれる毒魚に左足の小指を刺され、スパイクが履けないほどに腫れ上がった。結局、このアクシデントが響いてスコットランド戦はメンバー外。それでも週明けには練習を再開できるほどに回復。体格に勝るサモアとの一戦へ向け「サイズは関係ないんです」と気持ちを高めていた。

 慶大時代から実力は折り紙付きだったが、奇抜なプレー、派手な髪形などで周囲から誤解されることも多かった。11年の前回大会は、メンバー入りを期待されながらも落選。ジョーンズHCからは再三にわたってディフェンス力の向上を指示されてきたが、その欠点を克服したからこその2度目の先発起用。負けられない一戦で指揮官の期待に見事に応えた。

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