ローラースポーツ喜び半分…認められたのはスケボーのみ

[ 2015年9月29日 05:30 ]

スケートボード競技の瀬尻(右)と掘米は笑顔を見せる

 20年東京五輪組織委員会の種目追加検討会議と理事会が28日、東京・虎ノ門ヒルズで行われ、野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツのスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目(選手総数474人)を国際オリンピック委員会(IOC)に提案することを決めた。ボウリングなど3競技は落選した。組織委は今月中にIOCに選考結果を提案。IOCは来年8月のIOC総会(リオデジャネイロ)で正式に決定する。

 知らせを受けても会見場は喜び一色には染まらなかった。日本ローラースポーツ連盟の会長を務める平沢勝栄衆院議員は正直に言った。「喜びも半分くらいですね。ローラースポーツを専門にやっている人には大きなショックではないか」

 組織委に申請した種目はローラースポーツの「スロープスタイル」「マラソン」、そしてスケートボード「ストリート」の3つだった。ところが認められたのはスケートボード「ストリート」と「パーク」の2つ。会見には10代のローラースポーツ選手が呼ばれていたが、彼らの表情が硬くなるのも無理はなかった。

 申請してもいない「パーク」の採用も会見場に混乱を招いた。連盟関係者らによればストリートとパークには種目上の大きな違いはないという。そのため「組織委員会がパークとハーフパイプを間違えたんじゃないか」といぶかしがり、関係者が文科省などに確認しにいく場面も。会見では平沢会長が「パーク」を「パイプ」と言い間違えてさらに混乱を助長した。

 スケートボードはリオ五輪での競技入りが噂されたこともあり、それ自体に驚きはない。ただし、今回の追加種目レースでは当初は名前も挙がっていなかった。日本ローラースポーツ連盟も日本スケートボード協会とは別団体。しかし同連盟は5月にスケートボード委員会を立ち上げて一体化を図ってきた。

 最終選考に向け、国際連盟の意向もあってスケートボードを実施種目に追加申請した。北米を中心に人気の「夏季Xゲーム」でも実施されているスケートボードは、IOCが求める若者への訴求力は抜群。それがローラースポーツ採用の可能性も高めるはずだった。スケートボードを管轄することで、ローラースポーツも五輪との接点は増えてくるはず。ただし、今回に限ってはひさしを貸して母屋を取られるような結果でもあった。

 ▽ローラースポーツ インラインスケート(車輪が縦1列に並んだローラースケート)で争う「マラソン」などは今回採用されず。スケートボードは、町にある階段や手すりのような障害物を乗り越えながら技を繰り出す「ストリート」、四角のエリア内に障害物を設置して技を競う「パーク」が採用。技の高さや回転、独自性、難度などを争う採点競技で、昨年の南京ユース五輪では公開競技として実施された。

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