鶴竜が横綱昇進後初V 優勝決定戦、照ノ富士を真っ向勝負で退けた

[ 2015年9月27日 17:44 ]

支度部屋で賜杯と長女をひざに抱き笑顔の鶴竜(右はムンフザヤ夫人)

大相撲秋場所千秋楽

(9月27日 東京・両国国技館)
 大相撲秋場所千秋楽は27日、東京・両国国技館で行われ、2敗で単独首位の横綱・鶴竜が、3敗で追う大関・照ノ富士との直接対決に臨んだ。結びの一番では照ノ富士に寄り切られ、優勝決定戦へ。優勝決定戦では照ノ富士を退け14年春場所以来2度目となる優勝を飾った。鶴竜にとって横綱昇進後初の賜杯獲得となった。25日の取組で右膝を負傷した照ノ富士は前日(26日)に続いて強行出場したが、本来の力強さはなく横綱に屈した。

 何が何でも賜杯が欲しかった――。鶴竜の優勝への執念はすさまじかった。26日の大関・稀勢の里戦。立ち合いからの変化で白星を狙った。最初の立ち合いは手つき不十分で取り直し。2度目の立ち合いも変化して稀勢の里を下した。横綱の信じられない奇襲に対して力勝負を期待した観客からは大ブーイング。ネットでも「横綱の器じゃない」など批判が殺到した。

 取組後、鶴竜は批判も覚悟の上の選択だったと明かした。「それでも勝負にいきました。やっぱり勝ちたい気持ちが出た」。白鵬と日馬富士が休場した今場所、重圧を背負って戦い続けた一人横綱は、“綱の品格”より結果を優先した。

 モンゴル出身力士の後輩、照ノ富士との千秋楽結びの一番と優勝決定戦は真っ向勝負で締めた。批判があっても勝ちは勝ち。弁解もせず罵声に耐えた鶴竜がこだわり続けた結果をガッチリとつかんだ。

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