エディーJに第2戦の壁 スコットランド戦に見る3つの敗因

[ 2015年9月25日 07:40 ]

<日本・スコットランド>前半、2人がかりでタックルされる立川(後方はリーチ)

ラグビーW杯イングランド大会

 世界ランキング11位の日本代表は23日、1次リーグB組第2戦(グロスター)で同12位のスコットランドに10―45で敗戦した。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC=55)が指揮する日本は19日の南アフリカ戦から中3日で臨み、疲労で足の止まった後半に5トライを喫して完敗。スポニチ本紙は敗因の3ポイントを分析した。チームは試合後、10月3日のサモア戦(ミルトンキーンズ)に向けて合宿を張るウォリックへ移動した。
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 激戦から一夜。ウォリックの宿舎で、ジョーンズHCは「負けは力が足りなかっただけ。(選手の)セレクションの間違いもあったし、メンタルの準備もさせられなかった」と責任を背負った。

 前半を7―12で折り返し、指揮官も「勝てるかなと思った」という中での大敗は幾つかの要素が複雑に絡み合っていた。

 (1)落ちた運動量 選手は中3日の日程を言い訳にしなかったが、スコットランドのSHレイドローは「日本は後半に疲れがきていた」と証言。日本の足が止まった後半、相手はハイパント中心から走力を生かした攻撃に切り替えて日本を圧倒した。4年間で中2日で3試合、中3日で4試合と“予行演習”を行ってきた日本だが、疲労回復の特効薬が見つかったわけではない。フッカー堀江は「やれることは個人個人でやった」。SH田中も「(中3日間は)いつも通り(の調整法)だと思います」と話し、過密日程への解決策が見いだせないまま、最後は個人の対応に委ねられた。

 (2)多発したミス 南アフリカ戦はノックオンがわずか2。ところがこの試合では疲労の影響もあったのか8度も犯した。前半26分には、モールで前進しながらSH田中が落球。同33分には密集を乗り越えてトライを試みたNo・8マフィもノックオンを犯した。判断ミスも多かった。後半23分には相手選手がインターセプトを狙って前に詰めていた中、CTB田村がパスを奪われて独走トライにつなげられるなど選択の悪さが命取りになった。ジョーンズHCも「21点は自分たちが与えたもの」と語った。

 (3)相手の日本対策 今大会初戦だったスコットランドは“格下”の日本相手にも入念に対策を練ってきた。日本はボール支配率60%、地域支配率64%と伝統国を上回ったが、1トライのみ。タックル数で日本の111をスコットランドが197と大きく上回ったのは日本の攻勢を示す一方で、最後の一線を越えさせなかった相手防御の強さも証明している。相手は日本の持ち味であるテンポの速い攻撃を遅らせるため、密集ではフランカーのハーディを中心に巧みにボールに絡んできた。田中は「体力が削られ、疲れたところで判断ミスが出た」と振り返った。

 サモア戦までは中9日あり、ジョーンズHCは「3日間はリカバリーし、日曜(27日)は休んで月曜から準備を始める」と巻き返しを期した。歴史的勝利を生かすも殺すも、全てはこれからだ。

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