プロップ稲垣、ST必ず!W杯初先発 右手中指骨折も問題なし

[ 2015年9月23日 06:30 ]

熱のこもった練習を行う稲垣(中央)ら日本代表フィフティーン
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ラグビーW杯イングランド大会1次リーグB組 日本―スコットランド

(9月23日 グロスター)
 世界ランク11位の日本代表は23日午後2時半(日本時間午後10時半)から、同12位のスコットランドと1次リーグB組第2戦を戦う。22日は試合会場のキングスホルムスタジアムで最終調整を行い、W杯初先発となる左プロップ稲垣啓太(25=パナソニック)がスクラムトライを宣言した。

 早朝の雨で濡れた芝の感触を確かめるように、稲垣がピッチに足を踏み入れた。スクラムは足元から。どんな試合でも、プロップとして必ずする作業を終えると、精力的に最終調整に没頭した。

 2年前に日本がスコットランドと対戦した際はパナソニック1年目。まだ代表に招集される以前で試合は「(テレビで)見てましたね。スクラム(は、やられていた)イメージですよね。だからといって、やってきたことは間違っていない。実際それを南ア戦で証明できた」と振り返った。

 相手の攻撃パターンは強みを持つスクラムを起点とする。ワンパターンながらパワーと技術を兼ね備えるが故に、日本も2年前は17―42と完敗を喫した。ただ、日本は南アフリカ戦では8度のマイボールスクラムで全てボールを確保。後半ロスタイムのペナルティーでは同点狙いのPGではなく、スクラムを選択したのは自信の表れだ。相手長所の抑止力としてだけではなく、得点源にまで進化しただけに、稲垣も「FWにとって(スクラムトライ=STは)一番うれしいこと。特にプロップは(スクラムの)専門職という部分もあるので」と南ア戦で逃したSTを完遂するつもりだ。

 金属プレートで固定した右手中指を見つめ「(南ア戦で)折れました。(関節が)外れたと思ったら、腱が切れていた。まあ、問題ないですけど」とさらりと言ってのける。8強入りとともに「世界が視線を向ける大会で、もっと評価されたい」と野望もたっぷりな25歳が、その名をとどろかせる。

 ◆稲垣 啓太(いながき・けいた)1990年(平2)6月2日、新潟県生まれの25歳。中3からラグビーを始め、新潟工高では高校日本代表に選出。関東学院大では4年次に主将を務め、13年4月にパナソニック入り。昨年11月15日のルーマニア戦で代表初キャップを獲得。今年はスーパーラグビーのレベルズでもプレーした。ポジションはプロップ。1メートル83、115キロ。

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