奥原 山口との“新旧スーパー高校生”対決制し初V!

[ 2015年9月14日 05:30 ]

女子シングルス決勝 山口茜を下して優勝した奥原希望

バドミントン・ヨネックス・オープン・ジャパン第6日

(9月13日 東京体育館)
 “新旧スーパー高校生”対決を制したのは先輩の奥原だった。女子シングルス決勝で世界ランキング9位の奥原希望(のぞみ、20=日本ユニシス)が同10位の山口茜(18=福井・勝山高3年)を2―0のストレートで下し、スーパーシリーズ初優勝を飾った。第1ゲームを先取すると、第2ゲームも大きくラリーを展開して相手の攻撃を封じて完勝。13年の女子シングルスの山口、14年の同ダブルスの“タカマツ”こと高橋礼華(25)、松友美佐紀(23=ともに日本ユニシス)組に続き、今年も日本選手が頂点に輝いた。

 奥原が先輩の意地を見せた。最後は甘い球を見逃さず、きっちり押し込み、両手でガッツポーズ。「凄くホッとしている。優勝が大きなステップになると思っていたが、勝ってみると、うれしい気持ちよりも、これからもっと頑張らなきゃという気持ちになった」と表情を引き締めた。

 16歳で全日本総合を制した奥原と、16歳でヨネックス・オープンに勝った山口の新旧スーパー高校生対決。奥原が経験で山口を封じた。コートの後ろからスマッシュを打つように軽く跳び、ネット前に緩く落とすドロップショットをしっかり拾った。奥原が得意な長いラリーを避けようとした山口の作戦を読み、ネット前やコート奥に振り、相手の足を動かして我慢比べに持ち込んだ。「プライド、負けん気、練習を頑張ること、粘り強さ、頑張るところでは絶対負けない」。疲労でエンジンがかからない山口とは対照的に、奥原が執念を見せた。

 ライバルを「トリッキーで、センスは茜ちゃんの方がある」と素直に認める。しかし、注目度の高さから毎試合後、会見を行う山口に対し、奥原が会見に呼ばれたのは準決勝からで、「やっと呼ばれた」とさすがに本音がポロリとこぼれた。5月の団体戦のスディルマン杯では準々決勝、準決勝と奥原が銀メダル獲得に貢献したが、決勝では山口が起用された。「絶対的エースになれてない」と実感。だからこそ、ホームでの大一番で結果が欲しかった。

 どん底からはい上がった。13年1月に左膝、14年4月に右膝を負傷し、手術。「(五輪レースの)スタートに立てると思っていなかった」。ここ2年、この大会は所属チームの応援でスーツ姿で観戦した。1年前から複数のトレーナーをつけ、一念発起。ケガ予防のテーピングや体の使い方を見直し、前屈運動では地面に肘がつくほどまで体は柔らかくなった。

 まだ通過点。「単なる1勝。何回も繰り返して(五輪メダルは)見えてくるもの」。目標は五輪でのメダル。希望の光が少しずつ差し込んできた。

 ◆奥原 希望(おくはら・のぞみ)1995年(平7)3月13日、長野県大町市出身の20歳。6歳からバドミントンを始める。仁科台中―大宮東高、13年日本ユニシス入社する。高校総体女子シングルス2連覇。11年全日本総合女子シングルスを最年少の16歳8カ月で制した。12年世界ジュニア選手権優勝。1メートル55、52キロ。

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