スポーツ庁初代長官に鈴木大地氏 “バサロの王者”異例抜てき

[ 2015年9月12日 05:30 ]

スポーツ庁長官の就任会見で笑顔を見せる鈴木大地氏

 政府は11日、文部科学省の外局として10月に発足するスポーツ庁の初代長官に88年ソウル五輪男子100メートル背泳ぎ金メダリストで、日本水泳連盟会長の鈴木大地氏(48)を起用する人事を決めた。20年東京五輪・パラリンピックに向けた選手強化や、スポーツ振興の司令塔役を担う。

 発令は10月1日で任期は2年。国体の水泳競技が行われている和歌山市で会見した鈴木氏は「泳ぎは後ろ向きでしたけれど、前向きに頑張りたい」と場を和ませつつ「分からない点もある。専門としてやられてきた方とよく話をし、いい方向に進みたい」と対話路線での推進を強調した。

 鈴木氏は代名詞となった潜水キック「バサロ」を武器にソウル五輪で金メダルを獲得し、国内外で抜群の知名度を誇る。順大教授で、2年前には史上最年少で日本水泳連盟会長に就任したほか、東京五輪・パラリンピック組織委員会のアスリート委員長、日本オリンピック委員会理事も務める。

 40代という異例の若さでの中央省庁トップの抜てきには「昔は人生50年と言われていたので、あまり意識はない」と切り返し「若さや、エネルギッシュなところをアピールしたい」と意欲を示した。8月のロシアでの世界選手権では、頬に日の丸のシールを貼って応援をするなど飾らない人柄で人気も多い。「自分のスタイルを貫きたい」という抱負を語った後、そのスタイルを問われ、「明るく、楽しく、元気よく、しっかりと、みたいな」と言って白い歯を見せた。

 ▽スポーツ庁 20年東京五輪・パラリンピックに向けた選手強化や、国民の健康増進などを目的としたスポーツ振興に専門的に取り組む官庁。文部科学省のスポーツ・青少年局を母体に、他の府省からも職員が加わり、120人規模の態勢でスタートする。複数の省庁にまたがるスポーツ施策の立案や調整が主な業務となる。

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2015年9月12日のニュース