沙保里 いざ出陣!200連勝でリオ!世界大会V16で決める

[ 2015年9月10日 05:30 ]

計量をパスして笑顔を見せる

レスリング世界選手権第2日

(9月8日 米ラスベガス)
 レスリングの世界選手権は9日(日本時間10日未明)から女子の競技が開始。4大会連続の五輪出場を狙う53キロ級の吉田沙保里(32=ALSOK)は8日の前日計量を順調にパスした。組み合わせも発表され、最も警戒するソフィア・マットソン(25=スウェーデン)と鍾雪純(21=中国)は決勝まで当たらない反対ブロックとなった。五輪と合わせた世界大会16連覇、そして個人戦200連勝に挑む。8日の男子グレコローマン4階級で日本勢は全て初戦敗退に終わった。

 大会初日、2日目と男子グレコローマンの惨敗が続き、重苦しい雰囲気が漂う日本勢。垂れ込める暗雲を振り払う役目は“霊長類最強女子”、世界大会V16に挑む吉田に託された。

 8日の前日計量を問題なくパスした吉田は「気持ちも上がって、緊張感も高まってきた。何が何でも勝つという気持ちで戦う。絶対に金メダルを獲って、リオ五輪につなげたい」と意気込んで試合当日を迎えた。制限体重の2キロオーバーまで許される団体戦では08年と12年のW杯で黒星を喫しているが、個人戦に限れば01年から195連勝中。「記録はあとからついてくる」という吉田だが、今大会は5試合を勝ち抜けば優勝となり、ちょうど節目の200連勝に達する。

 5位までに入れば五輪出場枠獲得となり、日本協会はメダルを獲った選手については12月の全日本選手権出場でリオ五輪代表に選出する方針。吉田にとって今大会でのメダル奪取は事実上、4大会連続となる五輪出場につながっている。

 組み合わせも悪くはない。最大のライバルと目されるのが2年連続で決勝を戦った欧州大会55キロ級3連覇のマットソン。もう一人の対抗馬と目されるのが鍾雪純で、5月のアジア選手権を連覇するなど21歳の成長株。昨年のアジア大会で吉田はピンフォール寸前まで追い込まれた。順当にいけば両者は準決勝でつぶし合うことになる。

 吉田のブロックにも準々決勝での対戦が予想される欧州大会53キロ級優勝のドロガン(アゼルバイジャン)ら気の抜けない相手はいるが、これまで女王の座を守ってきた実績はダテではない。「歯を食いしばって諦めないでやる」という女王の意地と誇りが吉田を頂点に導く力になる。

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月10日のニュース