“佐野氏ありき”のコンペだった?確たる理念なくデザイン迷走の恐れ

[ 2015年9月2日 05:30 ]

2020年東京五輪エンブレムのデザインを手がけた佐野研二郎氏

五輪エンブレム白紙撤回

 新国立問題と同様に、今回も選考のずさんさ、不透明さが浮かび上がった。広告業界などのコンペでは、審査員の投票内容などを公表するのが一般的。「宣伝会議」の編集室長・田中里沙さんは「五輪という最も公共性の高いイベントで、もっと公開性があってもよかった」と指摘する。

 佐野氏の“原案”が修正を経て採用されたのも疑問が残る。田中さんは「後になって“原画は違うものでした。手直ししました”と出てくることに違和感がある」とした。武藤事務総長は否定しているが“佐野氏ありき”の選考と、とられかねない。

 社会評論家の小沢遼子さんは「いろんな問題の根っこは、どこが主体になってやっているのか曖昧な点にあるのでは。競技場もエンブレムも民間であればマイナスを出せないので、よほど熱心に計画し、討議されるでしょう」と厳しく批判した。

 東京五輪に確たる理念やスローガンがないため、デザインが迷走するとの指摘もある。招致段階では「復興」「アジア」などが掲げられたが、これらが前面に出ていたとは言い難い。選考基準の透明性と責任の所在をはっきりすることが肝要。もう五輪まであまり時間はない。

続きを表示

「渋野日向子」特集記事

「ラグビーワールドカップ2019日本大会」特集記事

2015年9月2日のニュース