WTB山田、5年越しの夢かなえ…ラグビー日本代表W杯メンバーに

[ 2015年9月1日 05:30 ]

代表発表会見であいさつする山田章仁

 日本ラグビー協会は8月31日、都内で会見を行い、9月18日に開幕する第8回ラグビーワールドカップ(W杯)イングランド大会の日本代表メンバー31人を発表した。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、55)はFW17人、バックス14人を選出。前回大会では惜しくも落選したWTB山田章仁(30=パナソニック)も5年越しの夢をかなえた。この日夜に都内での壮行会に出席した日本代表は1日に渡英。19日(日本時間20日)の初戦で優勝候補の南アフリカと対戦する。

 やはり絵になる男は大トリが似合う。会見でジョーンズHCから最後に呼ばれた山田が、精悍(せいかん)な表情で壇上へ上がった。一礼して、目線を正面やや上方に向ける。既に26日に選出を伝えられていたが、公式の場で名前を読み上げられ「今、ここに立ててうれしく思う。エディーさんの下で初めてジャパンのジャージーを着られて、4年間多くの時間を共にしてきた。ファンにも感謝している。その思いをグラウンドで出したい」と決意表明した。

 慶大時代から快足ウイングとして鳴らした。プレーはもちろん、派手な髪形やアメリカンフットボール挑戦など、フィールド外でも話題を振りまいた。しかし、選出濃厚とみられていた11年の前回大会は失意の落選。「4年前(のW杯)は全く見なかった」が、15年に向けて気持ちを立て直した。イングランドの大舞台を心に思い浮かべて。

 プレーに自信を取り戻しつつあった11年12月。次期HC就任が確実になっていたジョーンズ氏(当時サントリーGM兼監督)に東京・青山のカフェに呼び出された。「パナソニックで活躍していたので褒められると思った」が、真逆だった。一対一で怒鳴られ、なじられ、酷評された。代表招集を伝えられると期待していたが「代表のダの字も言われなかった」。直後、ジムに足を運んだ。そこから真の代表挑戦が始まった。

 課題とされてきたディフェンス力を磨き、13年11月、初キャップを獲得。今年は世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」にも挑戦した。一試合も出られなかったが「体を当てることを楽しめるようになった」と進化を実感している。故障を抱え、ぶっつけ本番となりそうだが「最初の15人に入りたいという気持ちも強い」とキッパリ。夢の舞台で、エディーに、支えてくれてきた人たちに、感謝の気持ちを表現する。

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