ゴフィンに完勝8強!錦織、初ナダル狩りへ「チャンスある」

[ 2015年8月15日 05:30 ]

ストレートでゴフィンを下し、ガッツポーズの錦織(AP)

テニス・ロジャーズ杯

(8月13日 カナダ・モントリオール)
 男子シングルスで世界ランキング4位の錦織圭(25=日清食品)が“ナダル超え”に挑む。3回戦で世界14位のダビド・ゴフィン(24=ベルギー)を6―4、6―4で下し、この大会で自身初のベスト8に進出。14日(日本時間15日午前7時30分以降)の準々決勝では世界9位のラファエル・ナダル(29=スペイン)と対戦する。過去7戦全敗とBIG4の中で唯一勝ったことのない強敵との対戦に準決勝進出を懸ける。

 大一番に向けて思い通りの試合運びだった。71分だった初戦の2回戦に続いて、この日も85分でストレート勝ち。危なげなく準々決勝進出を決めた錦織は「試合前から攻撃的にいこうと思っていた。理想の戦いだった」と満足感を漂わせた。

 優勝した前週のシティ・オープンでは5試合を戦い、今回も決勝まで進めば5日連続での試合となる。「最初の1、2試合は体を回復しながら戦いたい」との狙い通りに勝ち上がり、激戦が予想されるナダル戦を前に体力を温存できた。

 特に光ったのは10本のエースを数えたサーブだった。「第1サーブはここ数カ月で一番良かった」と振り返ったように、第1セットではブレークした直後の第4ゲームで3本のサービスエースを叩き込み、勢いに乗った。第2セットも第4ゲームの相手のブレークポイントをサービスエースで切り抜けた。第8ゲームはセンター、ボディー、ワイドと巧みに打ち分けたサーブでわずか52秒でキープ。サーブの出来が省エネにもつながった。鮮やかな股抜きのロブショットを決める場面もあったが、観衆の喝采にも「もっと喜びたかったけど緊張感を保った」と集中力は途切れなかった。

 次戦のナダルとは昨年5月のマドリード・オープン決勝以来の対戦となる。ジョコビッチ、フェデラー、A・マリーとともに「BIG4」と呼ばれる選手で、錦織が唯一まだ勝っていない相手。世界トップ10でもナダル以外に勝ったことがない選手はいない。前回の対戦ではナダルが得意とするクレーコートで試合途中まで圧倒。ケガで途中棄権したものの、勝利まであと一歩に迫った。

 それから錦織はトップ10、そしてトップ5入りを果たし、この1年間で上位選手として完全に定着。一方のナダルは全仏オープンでの連覇が途絶えるなど、昨季後半をほぼ欠場したブランクを取り戻し切れていない。

 現在のランキングでは4位の錦織が9位のナダルを上回り、2人の差は1年3カ月前より確実に縮まっているはず。「自分も強くなっている。思い切っていくところも必要だし、むちゃをしなくても勝てる部分もある。しっかり判断ができればチャンスはある」。初勝利のイメージは、はっきりと錦織の中にある。

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月15日のニュース