錦織 逆転で通算10勝目!全米へ弾み「この優勝は大きい」

[ 2015年8月11日 05:30 ]

イスナーを下して大会初優勝を決め、ガッツポーズの錦織(AP)

シティ・オープン

(8月9日 米ワシントン)
 男子シングルス決勝が行われ、第2シードの錦織圭(25=日清食品)は第8シード、ジョン・イスナー(30=米国)を4―6、6―4、6―4で下し、大会初優勝を果たした。左ふくらはぎ痛で2回戦を棄権したウィンブルドン選手権以来、約1カ月ぶりの復帰戦で、今季ツアー3勝目。苦手という夏場の大会で通算10勝目を挙げた。10日付世界ランキングでは、5位から自己最高に並ぶ4位に浮上。31日開幕の全米オープンに向けて最高のスタートを切った。

 満面の笑みを浮かべ、クリスタルのトロフィーを高々と掲げた。錦織は左ふくらはぎを痛めて棄権したウィンブルドン2回戦以来となる復帰戦で5試合を勝ち抜き、今季3勝目。夏場ではツアー初勝利で通算10勝目を挙げた。欧州のクレー、芝と続いた戦いの舞台を北米のハードコートに移して迎えた初戦。「この優勝は大きい。(3週間後の)全米オープンに向けていいスタートが切れた」と手応えを口にした。

 8月9日は父・清志さんの59歳の誕生日。外国人インタビュアーに促され、日本語で「誕生日おめでとうございます」と照れながら話し、思い出深い勝利となった。

 「2、3年は全く駄目だった時期でもあるので(夏に)今季3勝目というのはうれしい」

 進化を示した。2メートル8のイスナーには4月のマイアミ・オープンで一度もブレークチャンスをつかめずストレートの完敗。今回は相手のサーブや戦略、動きを読みきった。初めてブレークに成功した第2セットの第1ゲームのジュースの場面で、イスナーの足元に返すリターンでアドバンテージを握るなど、狙い澄ましたリターンがポイントにつながった。準々決勝のグロート(オーストラリア)、準決勝のチリッチ(クロアチア)とビッグサーバーを撃破した勢いそのままに、第3セットもリターンやバックハンドがさえた。ボティーニ・コーチも「対策を実行し、イスナーに雪辱したことは価値がある」と勝利を称えた。

 世界ランキングは自己最高に並ぶ4位に再浮上。「次は(ツアーの格付けが高い優勝ポイント1000の)マスターズや4大大会で優勝すること。そのためには自分のテニスの質を上げないといけない」と目標は高い。昨年はこの大会でベスト8入りしたが、右足親指のケガでその後、全米オープンまでのマスターズ大会2連戦を欠場。その分、ランキングの得点を上積みできるチャンスだが「最近は去年のポイントがないから、今年取らなきゃという考えはしなくなった。ロンドンに向けた意識の方が大きい」とキッパリ。1年間の合計ポイントの上位8人が進める11月の最終戦ATPツアー・ファイナル(ロンドン)まで見据えた戦いを続けている。

 既に開幕したロジャーズ杯(カナダ)は第4シードで2回戦から登場する。「タフなスケジュールになるが、ケガをしないことが大事」と錦織。暑さとの戦いにもなるニューヨークでの全米オープンに向け、大きな弾みをつけた日本のエースが、まずはマスターズ大会初制覇を狙う。

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