首相、新国立の支出陳謝 旧計画で62億円回収不能 文科相更迭は拒否

[ 2015年8月10日 17:14 ]

 安倍晋三首相は10日の参院予算委員会で、新国立競技場(東京都新宿区)の旧整備計画を白紙撤回するまでに国内外の設計業者らと結んだ契約に基づく支出に関し「貴重な公的資金を使ったことは、国民に申し訳ない思いだ」と陳謝した。下村博文文部科学相は、契約額のうち約62億円が回収不能になるとの見通しを明らかにした。首相は野党が求めた下村氏の更迭を拒否した。

 民主党の蓮舫氏が、混乱の責任を取って下村氏を辞任させるよう迫ったのに対し、首相は「責任は私にある。われわれは五輪を成功させることによって責任を果たしていきたい」と述べ、続投させる考えを示した。

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の進退を問う声には「私は組織委会長に辞めなさいと言う立場にない。森会長は就任してそう長い年月がたっているとは思わない」と述べるにとどめた。

 下村氏は、契約したのは設計やデザイン監修、工事監理などで、うち一部監修費約6500万円を除く約62億円の支出が見込まれるとした。

 首相は新国立競技場の事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)が入居を予定するビルの建設計画について「国民負担ができる限り低減するように検討したい」と述べた。競技場の計画撤回に伴う見直しは否定した。ビルの整備費は約165億円で、野党が見直しを求めている。

 蓮舫氏のほか自民党の岡田広、維新の党の川田龍平、次世代の党の松沢成文各氏への答弁。

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2015年8月10日のニュース