ダイヤ輝く!瀬戸、連覇!北島でも逃した日本人初の快挙

[ 2015年8月10日 05:30 ]

金メダルを手に笑顔の瀬戸(AP)

水泳世界選手権最終日

(8月9日 ロシア・カザニ)
 400メートル個人メドレー決勝で瀬戸大也(21=JSS毛呂山)が4分8秒50の自己ベストで金メダルを獲得し、日本勢で大会史上初めての2連覇を果たした。瀬戸は来年のリオデジャネイロ五輪の代表権を獲得。3冠を期待されながら200メートルバタフライと200メートル個人メドレーで完敗したが、最後の個人種目で偉業を達成した。競泳日本の今大会の金メダルは過去最多の3つとなった。

 苦しみを乗り越えた分だけ、喜びは大きかった。ゴールの瞬間、瀬戸はコースロープに背中を預けて呼吸を整えた。スクリーンには金メダリストに輝いた2年前と同じ「1」が映し出される。04年アテネ、08年北京五輪で2大会連続2冠を達成した北島康介(32=日本コカ・コーラ)も逃した、日本人初の大会連覇。苦悩を味わった大会の最後に初の五輪切符をつかんだ。「今回、調子悪い中でも期待に応えられたのは、金メダル以上の価値だと思う」。もがき苦しんだ男がよみがえった。

 最初のバタフライで果敢に飛び出し、背泳ぎも粘って2番手でしのぐ。「この時点で勝ったと思った。平泳ぎでまだ落ち着いていって、周りが来なかったので、あとは逃げるだけ。超きつかった」。背泳ぎは、かつて自転車をこぐようなキックをしていたが「膝が曲がらないように脚の付け根から意識」。よりフラットな体勢にして水の抵抗を軽減した。それにより「自由形まで足を温存」できる泳ぎとなり、逃げ切れるパワーを生んだ。

 試練だった。4日の200メートルバタフライ準決勝。最初の潜水が15メートルを超えたと思い「失格した。どうしよう」と悪夢がよぎった。過去全勝の後輩・坂井にも先着を許し「正直、怖い」と混乱。決勝は、通過点として臨んだ5月のジャパンオープンより0・7秒遅い6位だった。5日の200メートル個人メドレーは準決勝でよもやの敗退。4月の日本選手権から約4秒も遅れ「本当に訳分からない」。感覚と時計のズレに頭を抱えた。

 不振脱出へ、前日(8日)は梅原コーチと調整。「一つ一つ泳ぎを確かめていったり、それが少しずつできている」と焦らず、原点に返った。予選は11年大会2位クラリー(米国)の隣で泳ぎ、ラスト50メートルでかわして先着すると「ここにきて一番いい泳ぎ」と自信を回復。12年ロンドン五輪に出場できなかった悔しさを糧に金メダリストとなった“不屈の魂”で崖っ縁からはい上がると「この結果を取らせてもらうために、神様が導いてくれた。自分を強くしてくれるきっかけになった」とうなずいた。

 エースの萩野がケガで欠場。「公介の分まで頑張る」とライバルが抱えてきた重圧を、代わりに背負った。王者には想像を絶するプレッシャーがのしかかるのも宿命。挑戦者だった2年前にはなかったものを乗り越え「真の王者」となった。星奈津美、渡部香生子が金メダルを獲得。男子陣は入江や小関があと一歩でメダルを逃し、悔しい思いをしてきた。今大会日本男子初のメダルは最高の輝き。21歳は「これで胸張って帰れる」と今大会最高の笑顔で締めくくった。

 ▽男子400メートル個人メドレー
(1)瀬戸 大也(JSS毛呂山) 4分8秒50
(2)ベッラスト(ハンガリー) 4分9秒90
(3)ケーリシュ(米国) 4分10秒05
[世]フェルプス(米国) 4分3秒84
[日]萩野 公介 4分7秒61

 ▼13年世界選手権男子400メートル個人メドレー決勝 バタフライに続く2つ目の背泳ぎで萩野に体1つリードを許したが得意の平泳ぎで猛追。250メートルのターンで並んだ。最後の自由形で再浮上してきたライバルを最後の50メートルで抜き返した。日本人としては初めてこの種目で金メダルを獲得。

 ◆瀬戸 大也(せと・だいや)1994年(平6)5月24日、埼玉県生まれの21歳。埼玉栄高―早大3年。5歳で水泳を始める。12年日本選手権400メートル個人メドレーは3位でロンドン五輪出場を逃す。13年世界選手権の400メートル個人メドレーで金メダルを獲得。世界短水路選手権の400メートル個人メドレーは12年、14年と2連覇中。1メートル74、72キロ。血液型A。好きな芸能人は少女時代のユナ。

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