羽生 23歳でプロ転向明言…18年平昌金メダルを花道に

[ 2015年8月8日 05:30 ]

トロントでの練習を公開した羽生

 五輪連覇が競技者としての花道になる。フィギュアスケート男子の14年ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(ゆづる、20=ANA)が6日、トロントで練習を公開。18年平昌五輪後、プロスケーターに転向する意向を示した。今季のショートプログラム(SP)は昨季と同じショパンの「バラード第1番」で、初戦は10月13日開幕のオータム・クラシック(カナダ・バリー)の見込みだ。

 競技者としてのゴールが、プリンスには見えていた。「ソチ、平昌で(金メダルを)獲ってからプロスケーターをやろうと思っていた。優勝で終わりたい」。3年後、羽生は23歳で勝負のリンクに別れを告げる。小学生の頃から抱いていた考えだ。「プロの仕事を全うできる体力の状態で、プロとしてやりたい」。アイスショーに主戦場を移しても、圧倒的なパフォーマンスを見せるための決断だった。

 「平昌と関係なくやりたい」という今季のプログラムも固まった。SPは昨季と同じ、ショパンのピアノ曲「バラード第1番」で舞う。ジャンプの基礎点が1・1倍になる演技後半に4回転に挑戦する。昨季も同じ構成だったが、中国杯で1度挑んで失敗して以降は、衝突事故の影響などがあり、封印せざるを得なかった。「もっと洗練させたい」と気合を入れる。

 フリーは既にアイスショーで発表した「SEIMEI」。映画「陰陽師」の音楽を使い、安倍晴明を演じる。競技用としては自身初の和風プログラム。「ここまで和のプログラムを出せるのって、今の日本男子では僕しかいない。僕だからできる繊細さや和の力強さがある」。こちらも演技後半に4回転を組み込んだ高難度のプログラムだ。

 昨季は中国杯での衝突事故や腹部手術で苦しんだ。今季は拠点のトロントで十分な練習を積むため、カナダ開催のオータム・クラシックを初戦とし、GPシリーズに備える予定。「五輪シーズンまでに積み上げることはあるかもしれないが、結局はそのシーズンの課題をどうクリアするか」。ゴールは決まっても、まずは目の前の1試合に集中。不変のスタイルの先に、男子史上4人目の五輪連覇が待っている。

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