佐野研二郎氏 エンブレム盗用否定「全くの事実無根」

[ 2015年8月6日 05:30 ]

2020年・東京五輪エンブレムの“盗作疑惑”について会見を開いた、エンブレム制作者でアートディレクターの佐野研二郎氏

 2020年東京五輪の公式エンブレムがベルギーの劇場のロゴと似ていると指摘された問題で、エンブレムをデザインしたアートディレクターの佐野研二郎氏(43)が5日、都内で会見し「全くの事実無根だ」と盗用を否定した。先月末に劇場側のデザイナーが「似ている」と主張して騒ぎになってから、佐野氏が口を開くのは初めて。盗用を疑う質問にムッとした表情を浮かべる一幕もあった。

 佐野氏は会見冒頭で盗用を指摘されたことについて「大変驚いている。全くの事実無根」と公の場であらためて否定。出張先の米ニューヨークで疑惑の目が向けられていることを知ったといい「物凄くショックで大変つらい。ベルギーには行ったことがないし、ロゴも一度も見たこともない」と述べた。

 「似ている」と指摘された劇場ロゴについて「要素は同じものがあるが、デザインに対する考え方が違うので、全く似ていない」と断言。ボードを使って「劇場側のロゴは(アルファベットの)TとLで作られているが、こちらはTと円がベース。書体も違う」と制作過程を説明した。作図の際には正方形を9分割、エンブレムがアルファベットや数字に変化する仕掛けがあることを明かし、独自性を訴えた。

 過去の作品群を含めて“パクリ”を疑う質問が飛んだ際には、眉間にしわが寄った。「そういった声があるとすれば物凄く残念。デザインをパクるようなことをしたことはない。作品は子供のようなものだと思っている」と語気を強めた。

 組織委陣営は会見で沈静化を図ったが、騒動が泥沼に陥った場合、法廷にもつれる可能性は依然として残る。劇場のデザイナー側は「サイトを見て模倣された」と訴え、国際オリンピック委員会(IOC)と日本オリンピック委員会(JOC)に使用停止を求める書簡を先月31日付で送付。応答がない場合は法的手続きを取ると主張しているためだ。

 これに対し、日本側は冷静に対処する構え。この日の会見で組織委は「黙殺することなく返答する。IOCと協議して対応する」とし、佐野氏は「日本人として誇りを持って作った。デザインに何ら問題はない」と自信を漂わせた。商標権の侵害の有無に関しては、組織委は「国内外の商標調査を経た上で発表している。問題ない」とし、IOCも同様の見解。デザイナー側が商標登録を取得していないことも確認している。

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