錦織 復帰戦は逆転白星 ウィンブルドン負傷棄権から1カ月

[ 2015年8月6日 05:30 ]

逆転勝ちした錦織(AP)

テニス シティ・オープン

(8月4日 米ワシントン)
 男子シングルス2回戦で世界ランキング5位の第2シード、錦織圭(25=日清食品)は同95位のジェームズ・ダックワース(23=オーストラリア)を6―7、6―1、6―4で下して3回戦に進んだ。左脚のケガで2回戦を棄権したウィンブルドン以来、1カ月ぶりの大会出場。序盤にもたつきながらも逆転勝ちを収めた。次戦は第16シードのレオナルド・マイエル(28=アルゼンチン)とブラジュ・ロラ(24=スロベニア)の勝者と対戦する。

 錦織が安堵(あんど)のため息を漏らした時、時計の針は午前0時を回っていた。当初は「午後7時半以降に開始予定」だったセンターコートの第4試合。それが雨で進行が遅れ、午後10時すぎにようやく始まった。

 ただし、試合終了が遅くなったのは錦織自身にも問題があった。初対戦のダックワースは力強いサーブとネットプレーが持ち味。それでも優位に立っていた第1セットだが、5―4で迎えた自分のサービスゲームで墓穴を掘った。このチャンスで第1サーブが入らず、2本のダブルフォールトもあってブレークされた。タイブレークに持ち込まれると再びダブルフォールトで追いつかれ、第1セットを先取された。

 「第1セットを取られても冷静に対処しようと思っていたので、第2セットの最初にしっかり集中するようにした」。第2セット以降は手綱を締め直し、凡ミスも減って逆転勝ちを収めた。しかし、思い出すのは棄権を余儀なくされた1カ月前のウィンブルドンだ。この時も1回戦で一気に勝ち切るチャンスを逃し、フルセットに持ち込まれ辛勝となった。ケガが悪化して2回戦を棄権した時の会見では「(1回戦を)3セットで終わらせていれば、ここまでダメージは来なかった」と悔やんでいた。

 昨年準優勝した全米オープンに向けた夏のハードコートシーズンの始まり。「内容はまだまだだけど勝つことが一番大事。久しぶりの試合でミスもあったが、次はプレッシャーも抜けて試合勘も戻ってくると思う」。今大会後はマスターズ2連戦があり、3週連続出場になる。世界95位に2時間19分を費やしていては道のりは険しくなるばかりだ。チャンスを逃さずに勝ちきる大切さ。約1カ月ぶりの復帰戦は、ウィンブルドンの反省を思い出させる逆転勝ちとなった。

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月6日のニュース