白井、ふくらはぎ肉離れ寸前も“常人離れ”の圧勝V

[ 2015年8月3日 05:30 ]

床運動で演技を終えた白井はスタンドに向かってガッツポーズ

体操アジア選手権最終日

(8月2日 広島県立総合体育館)
 満身創痍(そうい)の“ひねり王子”が意地を見せた。種目別決勝が行われ、白井健三(18=日体大)は13年世界選手権を制した床運動は16・450点で圧勝したものの、跳馬は14・575点で2位。両ふくらはぎは肉離れ寸前で、首や肩にも張りを抱える中、最大目標の世界選手権(10~11月、英グラスゴー)へ手応えをつかんだ。

 自己採点は激辛だった。床運動を制した白井だが、跳馬は1本目「シライ/キムヒフン」(ユルチェンコ3回ひねり)で台についた手が滑って2回ひねりに。跳馬は前日(1日)も着地で大きく乱れていた。「跳馬以外はいい出来だったので70点だけど、跳馬に関しては0点でも甘い」と苦笑いだ。

 この日の跳馬のミスについて「器具が新しくて滑る」と説明。自身のコンディションに言及しなかったが実は満身創痍で今大会に臨んでいた。両ふくらはぎは肉離れ寸前。首と肩にも張りがある状態だったが、床運動は連日ハイスコアをマーク。13年世界王者の意地で「シライ/ニュエン」(後方伸身宙返り4回ひねり)などの大技を決めた。

 今後は20日開幕の全日本学生選手権(新潟)を経て、団体金メダルを狙う世界選手権に向かう。今大会の種目別は男女計10種目中、日本が4種目、中国が5種目で優勝。日中の国歌が交互に流れる表彰式で、白井は思った。「世界選手権で、日本の国歌を流したい」。体に不安があっても得意の床は乱れない。それが白井の、日本の強みだ。

 ▽男子床運動 (1)白井健三(日体大)16・450点(2)早坂(順大)15・650点(3)シャウロフ(ウズベキスタン)14・575点

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2015年8月3日のニュース