江里菜、7年ぶり歓喜の涙!歴代10位のブランク乗り越えた

[ 2015年8月3日 05:30 ]

18番、7年ぶりの優勝を決めるパーパットを沈め涙ぐむ原江里菜

女子ゴルフツアー 大東建託いい部屋ネット・レディース最終日

(8月2日 山梨県鳴沢村 鳴沢GC=6587ヤード、パー72)
 7年ぶりの歓喜だ。単独首位から出た原江里菜(27=NEC)が3バーディー、2ボギーの71で回り通算9アンダー、207で08年NEC軽井沢72以来のツアー2勝目を挙げた。6年350日のブランクを経ての勝利は歴代10位。初日から首位を守った完全優勝でもある。新垣比菜(16=沖縄・興南高2年)は通算5アンダーで7位となりアマチュアとしては史上初の3週連続トップ10入りを果たした。
【最終R成績】

 短いウイニングパットを沈めると涙があふれた。223試合ぶり、6年350日も待った原が味わったのは「終わった。やっと解放された」という感情だった。

 単独首位で臨んだ最終日。「最初の3、4ホールはドキドキが止まらなかった」。2番でアン・ソンジュに並ばれ4番で抜かれた。ところが「立場が逆になって気が楽になった」。パーを拾い続けて後半チャンスをものにした。15番では1打目がバンカーへ。スタンスも取れないピンチだったが、残り125ヤードから9Iでピン2メートルにぴたり。3つ目のバーディーで戴冠までの流れをつくった。

 08年NEC軽井沢72での初優勝後、不振に陥りシード落ちも経験した。10年7月から指導する森守洋コーチ(38)は「最初は球がどっちに曲がるか分からない、めちゃくちゃなスイングだった。ただセンスがあるので凄いスピードでうまくなった」と回想する。

 シードを奪回し何度も優勝争いに加わったが、土壇場で崩れて勝ち切れない。首位で臨んだ昨年の伊藤園レディース最終日は終盤の3連続ボギーで自滅。ロッカーにこもって泣きじゃくった。思いあまって元賞金女王の不動裕理に「どうしたら勝てますか」と質問すると「神経質すぎる」と言われ、気持ちの切り替えの重要性を学んだ。

 攻めの姿勢にもこだわった。13年からコンビを組む保科隆キャディー(44)は「(2位だった7月の)サマンサタバサ・レディースから“安全なのはどっち”と聞いてこなくなった。逃げなくなった」と証言する。

 ただ1打リードで迎えた18番パー5の2打目だけは違った。池越えのショットで2オンを狙うべく5Wを取り出したが「“パーでいいから”と自分に言い聞かせて」バッグに戻してレイアップ。リードを守りきった。

 優勝のブランク期間は歴代10位。初優勝から2度目の優勝までの期間は歴代4位。長いトンネルを抜けた原は「これで満足せず来週からも頑張る」と3勝目を見据えている。

 ≪ブランク歴代10位≫ブランク優勝の最長記録保持者は池渕富子。85年10月20日の富士通レディースで勝ってから97年5月18日のヤクルト・レディースで優勝するまでの11年210日。初優勝から2勝目までのブランクの最長記録は中嶋千尋の9年297日。初優勝は88年6月19日のダンロップ・レディースで2勝目は98年4月12日の健勝苑レディース。

 ◆原 江里菜(はら・えりな)1987年(昭62)11月7日、愛知県豊田市出身の27歳。10歳でゴルフを始め、日本ジュニアや全国高校選手権で優勝。東北高では有村智恵と同期。東北福祉大に進学した06年に日本女子学生を制し、QT(ツアー出場予選会)を通過。07年にプロデビュー。08年NEC軽井沢72で初優勝を飾った。1メートル64、60キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月3日のニュース