中年の星・藤田 全英を“肌”で感じ、コース設計監修に興味

[ 2015年7月23日 10:40 ]

全英オープン第2日、3番ホールでギャラリーの声援に応える藤田寛之

 ジャック・ニクラウスやトム・ワトソン、タイガー・ウッズに至るまで海外では著名なプロゴルファーが設計監修したコースは数多く存在するが、日本のプロが設計に携わるケースは少ない。ただ、興味を持つプロがいない訳ではない。12年の日本ツアー賞金王、“中年の星”こと藤田寛之(46=葛城GC)も、その1人だ。

 セントアンドリュース・オールドコースで開催された今年の全英オープン。藤田は通算2オーバーで惜しくも予選通過はならなかったが、第1ラウンドでは名物ホールの17番パー4で聖地を沸かせた。その日はバーディー数が0の難ホール。第3打をグリーン右の砂利道の先のラフに落とすピンチを招いたが、SWでの第4打を直接放り込んでパーセーブし、渾身のガッツポーズ。巨大なギャラリースタンドから地鳴りのような拍手と歓声が藤田に注がれ、見ていても鳥肌が立った。

 藤田にとって初めての海外メジャーが05年に同コースで開催された全英オープンだった。「初めて来たときはベアグランド(芝が生えていないむき出しの状態)かと思ったような場所もあった。どうやってロングアイアンで打つのって」。日本にはないコースセッティング、コンディションを肌で感じ、コースの設計監修に興味を持ったのはそれからだった。

 藤田の理想とするコースとは。7月の長嶋茂雄招待セガサミー・カップの会場で話を聞かせてもらったときは「グリーンとフェアウエーのアンジュレーションがあって大きなマウンドもある。OBゾーンはなくして、池やバンカーが効いている。オーガスタみたいに球筋が限定される上空のハザードも欲しいですね。上級者には難しく、でも初心者でも回れるコースが理想」と、本当に楽しそうに語ってくれた。日本を代表する現役のトッププロが設計したコース。ぜひ見てみたい。(井上 侑香) 

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2015年7月23日のニュース