相撲の美学に反する白鵬ダメ押し行為 反省なし?この1年で2度目

[ 2015年7月22日 08:45 ]

逸ノ城(右)を寄り切った後、突き上げるように強烈は掌底をかます白鵬

 大相撲の名古屋場所9日目。横綱・白鵬(30=宮城野部屋)が関脇・逸ノ城(23=湊部屋)と対戦した際にダメ押しを行った。完全に土俵外へ寄り切って勝利を収めた後に相手の頬に向かって右手を突き出し、さらにグイッと一押し。勝負規定には「ダメ押しをしてはいけない」というルールはないが、勝者が敗者を思いやるという日本固有の伝統文化の美学に反する行為であることは間違いない。

 どんな理由があろうと第一人者の横綱が本場所の土俵上でそれをやれば、批判を浴びても言い訳はできない。期待の逸ノ城が成長していないと感じたのであれば、場所後の巡業で胸を出して鍛えてやればいいだけ。横綱の務めは、アマチュア相撲に励む子供たちを含めた全力士の見本となることではないのだろうか。

 白鵬はこの件について「気をつけます」「抑えるところは抑えないと。意識してやっていきたい」と反省の弁を述べた。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は審判部を訪れて謝罪。伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)は同親方を通じて白鵬に厳重注意し、同親方には監督、指導を徹底するよう求めた。

 しかし、だ。白鵬のダメ押し行為は昨年九州場所の照ノ富士戦においても物議を醸したばかりで、その際にも師匠は審判部に呼ばれている。相撲界にイエローカードがあるのであれば、この1年間で2枚目をもらったことになる。原因は師弟関係に問題があるのか、それとも白鵬を直接呼んで注意を与えない協会側が悪いのか。歴史的快挙を次々と成し遂げる横綱だからこそ、なおさら目立ってしまう。

 当事者が今回の件を軽んじて考えているようであれば「2度あることは3度ある」となるのは目に見えている。長い大相撲の歴史の中で史上最多優勝を果たした力士がダメ押しの常習だったという事実は消えない。30歳を迎えた白鵬が目指す相撲道は、一体どこへ向かっているのだろうか。 (大相撲担当・鈴木 悟)

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