【丸山茂樹メジャー基準】“飛ばない”Z・ジョンソン優勝 日本人に希望の光

[ 2015年7月22日 08:00 ]

全英を制したZ・ジョンソンはフェアウエーキープ率、パーオン率の高いアプローチやパットの小技が光った(AP)

 終盤は本当に凄い戦いだった。メジャー3連勝はならなかったが、スピースもドラマを見せてくれた。敗因は17番のボギー。第2打を2Iで打って大きくショートさせたが、あれはクラブ選択のミスではないかと思う。ただ、それでも4位。とんでもない選手だし10年後にどんなゴルファーになっているか楽しみだ。

 最後はプレーオフを制したZ・ジョンソンが優勝したが正規のラウンドは終盤の16~18番がポイントになった。Z・ジョンソンは17番をボギーにしながら立て直して18番でバーディーを取ったことで勝利を引き寄せた。

 Z・ジョンソンはドライバーの平均飛距離ではツアーの150位にも入らない。飛距離では不利なのに勝てるのはフェアウエーキープ率、パーオン率が高い上にアプローチ、パットなど全体のバランスが良いからだ。パワーで劣る日本人も希望が持てる選手が勝ってくれた。日本人がD・ジョンソンを目指すのは難しいが、Z・ジョンソンなら目標にできる。ただ彼のような選手になるためには彼以上のクオリティーの高さを追求していかないといけない。

 松山はパットで苦しんで、力尽きたという感じだ。何が課題なのか、早く見つけて次へのステップにしてもらいたい。この悔しい思いは必ず生きてくる。他の日本勢は予選落ちしたが、決して実力が足りないわけではない。ゴルフ場の経験値の差が出ただけだ。普段からタフなコースを回っていればメジャーでも戦えるようになると思う。

 今年の全英オープンは悪天候で日程が5日間に延長されるなど過酷な大会だったが、ゴルフの聖地で戦い抜いた選手は「本当の全英オープン」を体験できたと思う。 (プロゴルファー)

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2015年7月22日のニュース