【丸山茂樹メジャー基準】セントアンドリュースのワナにはまった

[ 2015年7月21日 08:19 ]

第3ラウンドの17番、中嶋常幸氏が脱出に4打かかった「トミーズバンカー」に松山も捕まった

 第3ラウンドの松山は流れに乗りきれなかった。第2ラウンドではチャンスに付いたバーディーパットが入ってくれたから好スコアにつながった。しかし第3ラウンドでは「ここは入れたい」という場面でパットが入らなかった。2ラウンド続けてチャンスを全部入れるというのは無理な話だが、3回に1回でも入ってくれたら流れが変わったと思う。それから難関ホールの17番でバンカーにつかまってしまうなど、セントアンドリュースのわなにはまってしまったのかなという気もする。

 14番パー5は第2打をアイアンでレイアップしたが、ラフに入れて結果的にボギーになった。左のバンカーを警戒したのだろうが、果敢にグリーンを狙っていくべきだったのではないか。あそこは勝負どころだった。松山のショットのクオリティーを考えればアイアンで刻む必要があったのだろうか。それなりの考えがあってやったことだろうが、僕が彼の立場だったら攻めていったと思う。

 何度も書いているが、ショットの安定感はある。あとはどういうふうにゲームをつなげていくかだけだ。プロになって3年目。順調なペースで成長している。実力も付いているし、ゴルフの内容も良くなっている。将来に向けて試練を与えられた一日だったのかもしれない。

 メジャーに限らずゴルフはどの試合でも1打がもの凄く重い。勝てなかった試合では、あの1打がなかったらという“たら、れば”が出てくる。その1打の重みが一生涯付きまとうのがゴルフだ。僕自身、02年全英オープンでプレーオフ進出に1打及ばなかった苦い経験がある。9番で単独首位に立ちながら10番のボギーで後退した。「10番で3パットがなければ展開が変わっていたかもしれない」と今でも思う。松山と話す機会があれば、そういう話もしてみたい。 (プロゴルファー)

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2015年7月21日のニュース