広瀬、W杯初代表グイッ!エディージャパン白星発進

[ 2015年7月20日 05:30 ]

W杯初代表を大きく引き寄せた広瀬

ラグビー パシフィックネーションズ杯 日本20―6カナダ

(7月18日 米カリフォルニア州サンノゼ)
 前主将が生き残りをアピールだ。9月にW杯イングランド大会を控える日本代表は、約2カ月ぶりの実戦となる初戦でカナダ代表と対戦し、20―6で快勝。勝ち点4として1次リーグ1組首位に立った。前半10分に目を負傷したSO立川理道(25=クボタ)に代わって出場した広瀬俊朗(33=東芝)が、司令塔としてチームをけん引。昨年6月の対戦で34―25と苦戦した相手への快勝を演出するとともに、初のW杯代表入りへ大きく前進した。

 このひたむきさが、広瀬を日本代表たらしめているゆえんだ。後半22分、自陣で独走状態に入った相手選手を背面からなぎ倒し、FB五郎丸のPGにつなげた。70分間走り続けた1メートル73と小柄な前主将は「凄くピンチだったので良かった。僕はうまい選手ではないので(試合への)姿勢はいつも一生懸命やろうとしています」と胸を張った。

 立川負傷で回ってきた出番で、穴を埋めるには十分すぎる働きだった。前半13分にトライの起点となり、守備でもFWとバックスを束ねて失トライ0を支えた。控えながらチーム戦略を完璧に理解、遂行できたのは準備のたまものだ。「6月に(合宿で)ゲームコントロールに取り組んだ。出来はともかく、やれることをやった」と訴えた。

 12年4月、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチの就任とともに主将に指名された。当時はウイングだったが、若手の台頭で出場機会が奪われ、昨年4月には主将からも外された。所属チームでも、現在は主にウイングでプレー。そんな難しい立場でも他の選手から「トシさん」と慕われるのは、練習態度が超一流だから。指揮官も「イレギュラーなポジションにもかかわらず、いいプレーをしていた」と評した。

 今後もW杯代表争いは続くが「選ぶのはエディーさん。自分としては勝ったことが一番うれしい」と語った広瀬。プレーとその姿勢で、ジャパンに不可欠な存在であることをあらためて示した。

 ▽パシフィックネーションズ杯 国際統括団体ワールドラグビー(旧IRB)公認の国際大会で、06年に開始。参加国数や大会方式の変遷を経て、今年は日本など6カ国が参加。別プールの3チームと対戦するクロスプールマッチ方式が採用され、1次リーグ3試合の総勝ち点で順位を決めた後、順位決定戦を行う。日本は今後、24日(日本時間25日)に米国と、29日(同30日)にフィジーと対戦する。

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2015年7月20日のニュース